十勝の活性化を考える会

     
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地域循環経済

2020-08-06 05:00:00 | 投稿

 

先日、NHK第1放送「マイビズ」で、地域エコノミスト 藻谷啓介氏が、「地域循環経済」について、次のようなことを語っていた。

 

『新型コロナ禍の影響で、インバウンドなどが減って、観光業が大打撃を受けている。観光業がGDPに占めている割合は約4%の20兆円だが、これに関連する事業を合わせると影響は計りしれない。だから、地産地消により地域経済を循環するのが基本であり、これによる様々な産業がうるおう』と。

 

確かに地産地消を促せば、品質、価格、納期等は改善、ロスも少なり、また、観光を含め地元を見直す契機になると思う。そして、十勝の食料自給率を考えても、それぞれの地域特性を活かした役割的なものがあるので、それぞれが地域特性を活かせば良いのである。

 

北海道の食料自給率(カロリーベース)は約200%、この十勝は約1,200%であるから6倍である。例えば、小豆(あずき)を取れば、北海道シェアが90%で、十勝がそのうち65%を占めるそうである。(日本先物商品振興機構HPより)

 

ということは、本州で食べているおはぎや団子、お汁粉などの半分は十勝産ということになり、十勝が、日本の食料基地といわれる所以である。また、十勝産のジャガイモを使った餃子やサラダは美味しくて、都内のレストランやデパートでは列をなしてお客が並ぶそうである。

 

今年の作況は、十勝振興局の発表によれば、小豆、ジャガイモ、小麦とも生育は良い状態であるとのことである。なお2017年2月、十勝に関する帯広市長の「かみしほろ塾」での講演要旨は、以下のとおりである。

【十勝の食と観光】~(帯広市長の講演より)~

  • 人口:34万人 (出典:国勢調査)
  • 面積:東京都の約5倍 (北海道のシェア:13%、108百k㎡)
  • 1市18町村
  • 日本の食糧基地
  • (ジャガイモ生産額:全国の約3割、小麦の生産額:同約3割、小豆の生産額:同約6割など)
                  (出典:十勝総合振興局「十勝の農業」)
  • 十勝の農業生産額における北海道シェア:24%
                (出典:農林水産省「市町村別農業産出額」)
  •  十勝管内の外国人宿泊客延数:6年間で87%アップ
    ・2011年:96千人、
    ・2017年:179千人  (出典:十勝総合振興局「観光入込客調査」)

 

「十勝の活性化を考える会」会長

 

注) 藻谷啓介

 

藻谷 浩介は、日本総合研究所調査部主席研究員、日本政策投資銀行地域企画部特別顧問(非常勤)、地域エコノミスト。山口県周南市出身。

 

[人物]

地域経済、観光、人口動態を詳細に調査し、講演活動を行っている。日本全国のほとんどの都市を旅行した経験を持ち、現地を歩いて回り、また市町村関係の統計数字や地域特性を詳しく把握した上で、その都市の抱える問題点を解析し、現場の実例も紹介しながらその都市の中心市街地活性化などまちづくりのあり方を提言している。

都市の起源や歴史、盛衰に関しての興味を持ち、受験生時代には受験科目に関係ない「地理」の独学に励み、すでに彼の出身地である山口県、中国地方での高速道路や鉄道整備によるストロー現象を発見していたという。

全国の都市への訪問はそうした好奇心が動機となって始まったものであり、当初はほとんどが私費旅行であったという。この経験が彼のまちづくりの考え方の原点になっている。

全国各地に無数の定点観測点を持ち、市町村関係の最新の統計数字や地域特性を踏まえた上で分析するのが最大の特徴である。全国各地で年間400回以上の講演会をこなしている。

[まちづくりの考え方]

藻谷は長年、日本各地の市町村を実地調査し、地域特性を生かした活性化を提言してきた。その主張の特徴は、生産人口が激減するという時代の大きな変わり目にあっても、なおバブル時代に夢みた高地価を前提にまちづくりを考えていては、失敗は避けられないことを看破した点にある。

中心市街地に必要なのは、まず人が住んでいること、次に職場があること、それから公共施設あるいは病院といったコミュニティー機能があることであり、最後に商業があることだとし、そのためには住居を好き放題に郊外に分散させてきたやり方を改めるだけではなく、地権者自らが家賃を下げ新しい住人を受け入れていけるような仕組みをつくり、商売を続ける意欲のない商店主は、むしろ割り切って若者が住み、新しい商売をできるようにすることが大切だと主張している。

[里山資本主義]

「里山資本主義」は藻谷とNHK広島取材班の造語である

20137月に発売された『里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く』が反響を呼び、発売3ヶ月で16万部を突破、作家の佐藤優や歌手の加藤登紀子が推薦し、首都圏だけでなく本の舞台となった中国山地など全国で売れている。

2014年の時点で、日本の貿易赤字を悲観している[9]。また、日本は、1人当たりのGDPが世界20位以内の水準であり、失業率も先進国で最低水準であるため、経済成長という刹那的な「マネー資本主義」に走ってはならないとしている。

藻谷が唱える里山資本主義は、「マネー資本主義」の対義語として作られた。「お金が乏しくなっても水と食料と燃料が手に入り続ける仕組み、いわば安心安全のネットワークを、あらかじめ用意しておこうという実践」である。

藻谷は安心のネットワークとお金が地域内を循環するのが「さとやま」であり、これが未来をつくるサブシステムであると述べている。ただし、里山資本主義は、マネー資本主義の否定では決してなく、都会よりも田舎暮らしのほうがいいという単純な話ではないとしている。

また、藻谷は「里山資本主義の考え方は、現在のマネー経済だけでなく、日本社会が抱える地域の過疎化、少子化と急激な高齢化という問題を克服する可能性も秘めている」と述べている。

藻谷は「普通に真面目で根気のある人が、手を抜きながら生きていける社会が、里山にはある。里山の暮らし方は世界に通用する」と述べている。

 

(出典:『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋)

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