昨年、帯広市主催の“とかちフードバレーマラソン”(2.5キロの部)に、帯広市議会議員の方が失明した人と手を取り合って、三人で出場した。
沿道の観客から、失明した人に対して大きな声援が送られていたが、その声援に対して失明した人は、笑顔で応えていたのが印象的であった。
彼は、現在72歳であるが、50歳の時に糖尿病で失明したそうである。従って、50歳までは視力があったので、周りの情景が目に浮かび、視力のある人よりも良く見えると思う。なぜなら、彼には視力はないが心の目で見ているからである。
昨年、日本ホスピス在宅ケア全国大会が帯広市で開かれ、柳田邦男氏の講演「大人が絵本に涙するとき」~ケアする人、ケアされる人のために~を聞いてきた。
柳田氏によると、子供には見えても大人の目には見えないものがあるらしい。その昔、ユリウス・カエサルが、「人は見ようとするものしか見ない」と言ったそうだが、目の見える人は心の目で見ようとしないから、まさにその通りだと思う。
最近、SNS上で差別的表現であるヘイトスピーチや煽り運転などが繰り返される嫌な時代であるが、新型コロナ禍で人間の価値観が変わってきたので、そのうちにヘイトスピーチなども無くなるかも知れない。
失明した人のことを書いたが、彼は毎日、朗読本を聞いていて体力も抜群である。そして、何事にもプラス思考で取り組んでおり、最近、“視覚障害者5人制サッカー”にも挑戦している。
「十勝の活性化を考える会」会長
注) 視覚障害者5人制サッカー
視覚障害者5人制サッカーとは、視覚に障害を持った選手がプレーできるように考案されたサッカーである。競技は国際視覚障害者スポーツ連盟(IBSA)が統括しており、国際サッカー連盟(FIFA)が定めたフットサル(5人制室内サッカー)のルールを一部修正したものに沿って行われる。日本での視覚障害者5人制サッカーは日本ブラインドサッカー協会(JBFA)が統括する。
[掛け声]
ディフェンスの際、ボールを取りに行く時に、「ボイ!」(スペイン語で「私が行くぞ」という意味)と声を掛ける。これは無駄な接触プレーを防ぐためである。
[観客の対応]
視覚障害者サッカーはボールの音や選手との掛け合いなど、聴覚を頼りとするスポーツであるため、プレーの妨害にならぬよう、プレー中に観戦客が声を出すことは一切禁止でマナー違反とされている。但し、チームがゴールした直後などプレー時間外ならばその限りではない。
(出典:『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋)