令和2年7月17日付け北海道新聞の「卓上四季」に、プロ棋士“藤井聡太“七段の以下の記事が載っていた。
『少年は突然、盤上に覆いかぶさり、ややあって火がついたように泣き出した。10年前の11月のこと。名古屋市で開かれたプロ棋士がアマチュアを対象に多面差しの将棋指導を行うイベントでの出来事だ。
8歳だった藤井聡太七段の負けず嫌いを伝える逸話であるが、その指導を行った谷川浩司永世名人は、「才能とは、自分の好きなことに時間をささげることが苦にならない情熱の深さの度合いなのだ」と自著「中学生棋士」(角川書店)で述べている。
幼稚園のころには詰め将棋の回答を考え過ぎ、「頭が割れそう」と母親に訴えたこともあったそうだ。9歳で将棋専門誌に問題を投稿。年間最優秀作品にも選ばれた。今も将棋ソフトを使った研究に余念がない。本人には当然将棋漬けの日常だろう。
藤井七段がきのう、棋聖戦5番勝負第4局で渡辺明棋聖を破り、史上最年少の17歳11カ月でタイトルを獲得した。
史上5人目となる中学生プロ棋士デビューから約45カ月。コロナ禍の自粛期間中、自身を見つめ直したという指し手は、異次元の強さとも評される。
谷川氏はプロ棋士の理想として、勝負師、芸術家、研究者の三つの顔を持つことと記している。豊富な読書量でも知られる新棋聖に大きな死角は見当たらない。
非凡な「情熱の深さ」が一時代を築くか。それとも、並み居るライバルが巻き返すか。駒音もひときわ高い棋界の行方である。』
私は将棋を知らないが、囲碁を趣味とする自分は、次のように思った。今から40年前、私の棋力がアマ2級ぐらいであった時、会社の上司から言われた言葉がある。「真面目に囲碁をやっていれば、誰でも三段になれる」と。
現在の棋力は落ちたが、一時期、日本棋院から四段の免状を頂いたことがあるので、真面目にやっていれば三段になれることを実感した。まさに“継続は力なり”である。
プロ囲碁棋士のことであるが、私より1歳年上の帯広出身棋士に、宮沢吾郎九段がいる。宮沢九段は、小学6年生の時に北海道チャンピオンになり、当時の囲碁界の大御所であった木谷實九段の言葉、「北海道で元気のよい鯛を釣ってきた」という話は、囲碁ファンには有名なエピソードになっている。
宮沢九段は、NHK囲碁トーナメント戦で準決勝まで勝ち上がったほか新人王戦のタイトルを二回も取った天才で、ギョギョで有名な“さかな君”の父親でもあり、人柄も温厚で全国に多くのファンがいる。
「十勝の活性化を考える会」会員
注) 継続は力なり
住岡夜晃(すみおか やこう)
・1895年(明治28年)広島生まれ
・元小学校教師
・真宗光明団の創始者、宗教家
青年よ強くなれ
牛のごとく、象のごとく、強くなれ
真に強いとは、一道を生きぬくことである
性格の弱さ悲しむなかれ
性格の強さは必ずしも誇るに足らず
「念願は人格を決定す 継続は力なり」
真の強さは正しい念願を貫くにある
怒って腕力をふるうがごときは弱者の至れるものである
悪友の誘惑によって堕落するがごときは弱者の標本である
青年よ強くなれ 大きくなれ
(引用:『讃嘆の詩』(さんだんのうた)上巻より)