私が最も心配しているのは、新型コロナ禍ではなく “地球温暖化”である。学者によると下図のとおり、この約100年間で地球の平均気温は約1.5度も上昇し、この状況で推移すれば、今後の100年間でも約2~4度前後が上昇する見込みもある。
世界気象機関では2019年の9月、2015年から2019年までの間に大気中に排出された二酸化炭素は、2015年までの5年間と比べて2割上昇しているという。各所の森林火災や大雨は、地球を取り巻く偏西風の蛇行などが絡んでいるようであるが、地球温暖化の抑止を粛々とやっていくほかないと思う。
北海道に台風が上陸するとか、25度以上にならないと言われる釧路市の気温が何回も30度以上になり異常気象が多すぎる。今年の12月22日から23日にかけては、十勝でも約60センチの大雪が降った。大雪が降ることは珍しいことではないが、普通の雪より水分をたっぷり含んで2~3倍重いのである。そのためにオホーツクの紋別市では、送電線の鉄塔が倒れて2日間も停電が続いた。こんなことは、今までに無かったという。
また旭川の知人に電話すると、本来は雪が多い所であるが、今年は昨年に続いて雪が少ないという。しかし、約50キロ離れた深川市や滝川市では、雪が多いという。これは最近、学者が言っている地球温暖化の影響で、集中豪雨や集中豪雪が日本各地に起こっている現象である。
その原因は、海水温の多寡によるエルニーニョ現象で、偏西風の蛇行につながっているそうだ。環境活動家 グレタ・トゥーンベリさんが、2019年に気候変動による地球の危機訴え、国連で怒りの演説をしたことが理解できる。
東京大学教授 石井菜穂子氏によれば、「地球温暖化は人類の加速度的な経済発展が、食料生産のための減少で、森林伐採やインフラ開発などを通じて、これまで保たれてきた生態系を破壊しはじめたことに起因している」という。
だから、地球の生態系とぶつかり合う経済システムをいかに変革するかだという。今後、10年程度の短期間に、この経済システムを変革することが気象危機、すなわち人類の危機を回避するために急務だといっている。
上記の学者の意見を考慮すれば、経済発展が必要かどうかに疑問符が付くのである。経済の回復が無ければ貧富の拡大や倒産企業の増加につながるが、命あってのものなので、人類にとって豊かさとは何かを考える時期にきていることは確かであって、価値観を変える必要があると思っている。
ところで、経済評論家加谷 珪一氏が、日本の経済力が低下したのは生産性が低下したことに原因があると言っていた。確かに、一人当たりの生産性は韓国よりも低くなっている。自然環境も大切なので、我々はどのような生活をしていけば良いのだろうと思っている。
貧しい生活には耐えられないが、そのような悠長なことを言っていられず、“二兎を追うものは一兎をも得ず”で、それを選択するのはわれわれ国民だと思っている。なお、韓国の人口は日本の4割で、面積が1/4、北海道の広さと同じくらいである。
「十勝の活性化を考える会」会員