北海道新聞の社説に、1月1日から“価値に揺らぎに”が連載されていた。その中に、円安のことが書かれていたので大変勉強になった。円安は、日本の価値観を変えていくだろう。
例えば、従兄や知人に酪農をやっている人がいる。従兄は牛を約500頭飼育しているが、円安で大幅な値下がりとなっているらしい。そして一部ではあるが、人口減少もあり生乳があまって捨てているらしい。
そして以前は、中国人女性を酪農ヘルパーとして雇用していたが、中国国内での人件費が上がったので、今はインドネシア人に変えている。また知人の酪農家は、十勝産チーズが円安で競争力がついてきたので、その品質や美味しさから輸出に打開の道を模索していると言っていた。
一方、電気自動車のことであるが、世界の約4割が中国産の自動車が占めているらしい。走行距離も、最高510キロといっていたので、価格面などから昔の日本車のように世界市場を席巻するだろう。
このように、グローバル経済に伴い価値観が揺らいでいるのである。私は難しいことは分からないが、十勝の“地域づくり”については、以下のように考えている。
地域づくりとは、自然環境を考えて地域社会を意識的に循環させる活動ともいえよう。この地域づくりは、住むところ(住民の生活領域としての地域)と働くところ(生産活動としての地域」)に大きく分けられる。
これからは、地域住民の一人ひとりが幸せに暮らせるような地域を作ることが大切であり、地産地消の「地域内循環経済」の創出が必要である。生産活動が循環していけば新たな投資需要を生み、内発的な発展が期待され、中心市街地の活性化にもつながるのではないだろうか。
日本には、自然条件、歴史的、社会的条件によって様々な地域が存在し、そこで生じている経済上の問題は、経済のグローバル化が進めば進むほど、各地域に共通する問題が浮かび上がってくる。
地域経済の内容と仕組みを正確に知ったうえで、自分たちの地域が置かれている位置と、独自の地域づくりの方向性や具体策を考え実行に移していく必要がある。日本の食糧基地と言われる十勝の農業や畜産業を考えれば、肥料や飼料の値上がりにより離農が増えてきており、その影響の大きさが分かるだろう。
これからは、地域社会を作っている持続的発展を第一とする道を追い求めていこう。その意味で、十勝は「農業」という宝を持っているので、その宝をどのように活かしていけば良いか、行政機関を巻き込んでみんなで考えていこう。
- 十勝の冬の風景
「十勝の活性化を考える会」会員