2月1日(火)
トンサンは先見の明がある。なんて自画自賛なのだが、これからこうなるというのは良く当たっている。
・若い時、銀縁眼鏡が流行るだろうと、金属フレームの眼鏡にした。それまでは眼鏡フレームと言えば樹脂か、べっ甲の眼鏡だった。トンサンが金属フレームの眼鏡にしたとき、産婦人科の医者の眼鏡だとかさんざん言われた。その後しばらくして、金属フレームが流行り出した。
・シャリオを買ったとき、3列シートのツーボックスカーはシャリオとプレーリーの2車種しかなかった。
その時「どうしてみんなこういう車を買わないのだろう?」と思っていた。
三菱シャリオ
10年後にミニミニバンブームはやってきた。
など、あとから流行は着いてくる。
自転車もそうだと思う。トンサンはどちらかと言うと自転車には乗り遅れたようだが。
ここへきてだいぶ自転車の効用を見なおされてきているようだ。
cycleroad さんがうまくまとめてくれているのでこちらを見てほしい。
「むしろ大きなチャンスとして」
オヤジさんは相変わらず動きっぱなし。布団から這いずりだす。布団へ戻す。またすぐに這いずりだす。
これの繰り返し。ひと時も目が離せない。
ブログを書いているときも動きっぱなしだ。
昨晩動きっぱなしだったし、今日の昼間も動きっぱなし。今は夜の11時だ。もう疲れて寝てくれてもいいのに。
「箸が無い!」 「もうご飯は食べたよ」 「うそだ! まだ食べてないよ」 うーむ、典型的な痴呆か・・・
お昼御飯はカレーライス。これは失敗。目が見えないのでカレーのある場所を確認するために指を突っ込み、食べ残しが無いか指でお皿を擦る。指はカレーでべとべと。
夕食はサバの刺身・おでんなど。かなり量があったが完食。食欲はあるようだ。
オヤジさんはテレビは見れないし、ラジオも聞けない。寝てばかりじゃ退屈するだろうと思う。
でも布団から抜け出して周りを触り、「ひげそりがあったのにどこへ持って行ったんだ」 自分の部屋とは違うので、あるところに無い。それが隠されたりしていると思うらしい。最後には「訴えてやる」と言うのには困ったものだ。
今また布団から這い出す。様子を見る。引き戸のところで行けなくなり「おーい」と呼ばれる。
「どうしたの?」 「布団に戻りたい」 戻る気になったようだ。でも前に這いずることはできても戻ることはできない。
おかあと二人で抱きかかえて布団に戻す。
「雨戸をあける」 「今は夜中の12時だから雨戸は閉めたままでいいよ」 「ああそうか」
オヤジさんの実家では全員働いているのでおむつ交換ができない、おむつが取れるまで預かってほしい。と言われひきうけたが、これは大変だ。
足が直らなければトイレに行けず、おむつも取れない。
自宅介護ではお風呂に入れることもできず、やはり施設で預かってもらうしかない。
早いとこ手続きをしてもらおう。施設もどのくらい待ったら入れるのか…
あと20年後、我々の世代の時はどうなっているのだろうか。
日付が変わって2月2日(水)
午前1:15
「鈴木さ~ん・鈴木さ~ん」と呼んでいるがもう行かない。さっきもう寝るから呼ぶなと言っておいた。
1:25
また布団から這い出した。「鈴木さ~ん・鈴木さ~ん」 今度もおかあが布団に引っ張り上げる。
どうやら10分おきにトイレへ行きたくなるようだ。いつになったら寝かせてくれるのか。
1:36
柳ヶ瀬ブルースを歌っている。睡眠薬を飲ませないと寝ないようだ。
1:50
「おーい」 「おねがいします」 「○○○○(数字を言っている)」 「・・・独り言・・・」
1:57
でっかい声で「おーいご飯まだか、ご飯まだかよ」と怒鳴る。おかあが目を覚まして「今夜中の1時だよ」と言う。でももう2時だ。
2:00
「おーい牛乳もってこいよ」 「オヤジさん今夜中の2時だよ。」 「おかしいなぁ」
2:20
「○○子さ~ん」(厚木に来ているのを認識していなくて実家の人の名を呼ぶ)
2:35
「財布があるでしょ。え、財布!」 昼間、財布は持ってきてないよと言ったのをわかっていたはずなのに。
2:45
「うーん、うーん」 「○○子ー」 「えーん、えーん(うなる)」 「・・・(何か怒鳴る)」
3:00
もうだめだ。限界だ、眠い。と思ったらまた布団から這い出す。
「トイレへ行く」と言う。おかあも起きてきて「じゃあトイレへ行かせよう」
トイレまで時間をかけて這いずって行き、トイレの便器に座らせるのが大変。
0.75畳の狭いトイレに、オヤジさんを前後でわきを支えて3人で入り、おむつをはずして、やっと便器に座らせた。
でも出たのはおしっこがチョロリ。
寒い廊下を時間をかけて行って、すっかり眠気が覚めてしまった。
布団に寝かせたら鼻歌を歌っている。いい気なものだ。
3:38
「うーん、うーん」が始まった。今度は何だ。トイレには行かせたぞ。
トンサンはおなかがすいたのでカップラーメンを食べる。さっき23時過ぎにもブドウパンを二つ食べたのだが。介護太りしそうだ。
3:42
「○○子さんいますか」(実家だと思っている)
「こっち持ってきてよ、ラジオ。(夜中なので渡さない) まったくなぁ。」と愚痴をこぼす。
3:47
「△△△と△△△を買ってきてよ」・・・誰に言っているのだろう。
3:50
「□□は売れない作家じゃん・・・」と独り言。
3:56
「おーい。△△玄関閉めて行けよ」 △△「閉めたよ」
「ぶつぶつ・・・」誰かと話しているようだ。
4:00
「身長が183だもの・・・」
4:04
「うん、うん」と唸っているのは大便を出そうとしてか? 我が家へ来てから大便は出ていない。
「ぶつぶつ・・・あにきは・・・」 断続的にずーっとしゃべりっぱなし。
4:20
歌を歌っている。
4:26
また歌を歌い出す。
4:32
「前へ出りゃ・・・ぶつぶつ」
4:38
「 ♪どうしてそんなにのろいのか」
「・・・いそがしくなるから・・・ぶつぶつ」
4:45
「○○子さ~ん、○○子さ~ん」(実家だと思っている) 手をたたく。
○○子さん、○○子さんと大声を出してうるさいので「ここは厚木のうちだから、いないんだよ」と言う。
「どうしてよ。△持ってったきり、いないじゃんかよ」 もう一度「ここは厚木のうちだから、いないんだよ」と言う。すると目をつぶって寝たふりをしてしまう。
4:52
歌を歌い出す。ぶつぶつ独り言を言う。
4:57
「あんたが死んじゃったらどうする? 3人いるんだろ・・・ぶつぶつ」
ストロー付きボトルに入れたウーロン茶を飲む。
5:00
「将棋どうなったよ、将棋よ。持って来ねえじゃんかよ。」
5:07
「そこいっちゃだめだよ、セカンド・サード・センター」
「まって名前書いてるから」
5:10
「ああ、おしっこが出ねえよ。夜 薬飲んじゃだめだ」・・・薬はちゃんと夕食後飲ませた。
5:16
「おかしいな? あれ、おかしいな?」・・・また何か勘違いらしい。
手を叩いて歌い出す。「もう一回測ってみて」
「おしっこしたいんだ」と布団を抜けだそうとする。「さっきトイレ行ったとき大変だったでしょ。だからおつむしてあるから」と言うと「うん、行かねぇ行かねぇ。初めてだからよ。」・・・どうやらおむつをしたのが初めてだと言ったらしい。
5:25
「こっち置いたから、どっかあるよ」 また歌い出す。
5:32
歌い出す。「ぶつぶつ」独り言。
ああ、トンサンは眠いぞ。もうすぐ朝だ。とうとう徹夜してしまった。オヤジさんは前々日の夜からずーっと寝ていない。
5:37
「探してきてよ。高かねぇ。ただみてぇなもんだ」
布団から抜け出そうとする。またトイレか?
上半身を起こそうとして、あきらめて布団に横になる。寒いので自分で布団をかける。
「出ないよ、こんなこと初めてだ」 おかあが寝ぼけまなこで返事する。「うん」
5:45
「???」もごもご何か言っているが聞きとれず。「△林さん・・・」
ああー トンサンは生あくびの連発。眠い。
ふぅーっ オヤジさんはまだぶつぶつ何か言っている。
5:55
ストロー付きボトルを倒したので起こす。布団をはいでおむつを触っている。
何かやろうとしてあきらめ、自分で布団をかける。
6:00
「写真機あったじゃん・・・」 「おしっこ・・・」 また布団から這い出す。と思ったが今度は動かず、布団をどけただけ。おむつにさわって、おしっこが出たらしく、布団をかけた。
6:10
布団から抜け出す。四つん這いで這う。おかあ起きる。またトイレに向かって這って行く。
途中で「トイレ行かないよ」と言う。「邪魔者ばっかりあるじゃんかよ」 「だから厚木だからよ」
「あ、そうかそうか、ごめん悪かった」 あやまると思ったら・・・
「どっちよ」 「痛い!」 今度は怒り出す。おかあが布団の上に引っ張る。
6:19
「腹減ったな」 「何食べる?」 「パンと牛乳がいいな」
「はい牛乳だよ」 「うめぇなあ。うめぇ、うめぇ」
6:35
朝食はブドウパン2個。何かしゃべりながら食べている。