VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

桃花徒然 その22

2022-03-08 22:47:37 | 永遠の桃花

十里桃花の小説に書かれている東華帝君について

 少辛の息子、元貞の運命を変える算段をしていた

白浅のもとへ、夜華がやってきて  人間界での

元貞の父は東華帝君であることを告げ  東華帝君

の運命まで変えてしまわぬよう忠告する。

 

白浅目線からの東華帝君(東華紫府の少陽君)は

 

天族の中では  天君に次ぐ地位にあって  仙籍を

司っている。妖精、人間で仙人になったものは

まず東華帝君に報告せねばならない。上仙より

下の神仙が昇級する時も帝君に挨拶する必要があった。

帝君は清雅で欲が無く  冷淡な人となりで、めったに

人をほめない白浅の父が「四海八荒にいる多くの仙人の

中で、東華ほど神仙らしい人は他にはいない」と

言った事があったが、性格は 素朴で控え目であった。

 

余談だが・・・

白浅の姪の鳳九が 小狐の頃  外で遊んでいた時、虎の精

に襲われたところを帝君に救われた事があった。

その後 鳳九は 帝君に強く想いを寄せ、二千年以上

も片想いをしたのだった。それこそ数え切れないほど

みっともない言動をし、数百年間  身分を落として

帝君の府中で少仙婢になって仕えた事さえあった。

しかし  冷淡な帝君に  鳳九は傷心するばかりで、

ようやく数十年前に帝君との縁を断ち切った。

東華帝君の話しになると  鳳九は泥酔するほど

酒を飲んだ・・・

 

白浅は  あのように威風堂々として、真面目この上なく

富にも女性にも惑わされない帝君が  どのような過ちを

犯して人間界へ落されたのかと驚く。 

 

夜華は少し笑って言う。「東華帝君は  天君によって

落とされたわけではない。人間として  老いや病い

憎悪や愛や離別等の  六苦を経験する為に  自ら人間界へ

輪廻したのだ。だからわざわざ私がここへ来て

貴女に忠告したかった。元貞の運命を変える時に

絶対に帝君の運命に触れないように。」

 

夜華の話を聞いて  白浅は東華帝君が  相変わらず

孤高で堅い 節操のある神仙であると  嬉しく思った。

一方で、  東華帝君の運命に触れないで元貞の運命を

変える難しさに悩むのだった・・・

 

 ドラマのエピソードはオリジナル部分が多い為、

夢幻の桃花でのエピソードとかみ合わなくなって

います。