十里桃花の原作では 鳳九が川に落ちた皇帝を救って
寵愛を得る事になった為、本来なら帝君の劫である
最愛の人に愛情を踏みにじられるという筋書きの
「最愛の人」が 鳳九(陳貴人)になってしまった。
鳳九は、ただ一途に皇帝を愛する事で 帝君に恩返し
し、帝君を裏切る「美人」が登場したら 青丘に帰る
つもりでいた。
司命星君に 帝君の劫をきちんと経験させることが
恩返しになると言われ、泣く泣く引き受ける所で
鳳九のエピソードは途切れている。
そして、枕上書で 陳貴人の鳳九が 皇帝である
帝君から 寵愛を受けていながら、なぜか
それまでは一途に皇帝を愛していたのに
寵愛を受けた途端に 冷淡になり、皇帝の愛に
報いる事がなかった と書かれている。
そして 陳貴人は 妾として 臣下の「葉青てい」に
下賜される・・・
枕上書の最初に登場する鳳九が 喪服姿であるのは
人間界で夫に先だたれて後に寡婦の装束のままで
過ごしている事による、 とある。
と まあ、これで十里桃花と枕上書の鳳九、帝君の
エピソードが繋がる事になります。
ドラマでは 帝君を諦められない鳳九の切ない愛が
描かれますが、原作には、潔く 自分の運命を
受け入れて 逞しく運命に立ち向かう鳳九の姿が
描かれています。