引き続き枕上書 番外編より
東華と折顔のもとに 東華の従者が報告に来る。
「また一人 客が参りました・・・」と耳打ち。
「うん?貴方は また誰を引き入れたのだ?」
「今度のお方は 私が引き入れたわけでは
ございません。彼は自分で 帝座の設置した禁制
を通って入って来ました。」
驚いた折顔、思わず口に出てしまった。
「何?私でさえ通れなかった禁制を通ったと?
そんな能力を持つ者と言えば、 まさか 墨淵?」
東華が低い声で呟く。
「いや、墨淵でさえ通れはしない。私が許可を
与えた者か 血縁のあるもののみだ。しかし、私には
血縁者はいない。」
まさか、従者以外にも 許可を与えた者が?
と言う東華に 従者は言いにくそうに・・・
「その客は・・・帝座、貴方と血のつながりを
持つ人のはず・・・」
折顔と半日以上天下を論じても、顔色一つ
変えなかった東華の顔が 白くなった。
「私は孤児のはず・・・兄弟も姉妹もいない」
「彼は 帝座の兄弟でも姉妹でもありません」
「私には 両親もいない」
「彼は 貴方の両親でも ありません」
東華は 眉をひそめる「それなら 彼は・・・」
従者は勇気を振り絞るようにして 言った。
「彼は 貴方の息子だと言っています。名は
白ゴンゴン・・・」
東華も折顔も絶句した!
既に立ち上がって 立ち去ろうとしていた折顔は
踏み出していた足を引っ込めると 更に二歩下がった。
(折顔は 大のゴシップ好き🤗)
そして座席に座りなおし 居住まいを正した。
これは・・天界を揺るがすほどのゴシップでは?
表面上 何事もない様子をしていたが、折顔は
興奮していた。3年粘ったかいがあったというもの。
待ち損にはならなかった😁と。