そこに迫っている原子力爆発
(5)
青森・六ケ所村
専門家も評論家もみんなボケている。青森・六ヶ所村で起こった原燃の背任ミス(7/3)。専門家も評論家も、マスコミも、自治体も、国も、当の原燃(日本原燃株式会社)自体も、事態を軽視している。この圧力感のない同調圧力強要は一層深刻だ!
☆
日本原燃、六ヶ所工場の過酷事故とはなんぞや?!
この問題についてはメーリングリストの<三陸の海岩手の会>は直ちに、貯蔵プールの温度上昇、廃液沸騰、蒸発乾固、廃液槽爆発、ガラス固化などの原子力過酷事故に至るプロセスを公開し、原子力過酷事故の規模、災害波及範囲、その悲惨さを直ちに声明し想像図、図表などヴィジュアル(可視化)に描くべきだ。過少から過大などと、迷っている時ではない、直ちに着手してもらいたい。暴発とそのプロセスの実態のことである。
<三陸の海岩手の会>は自分たちの理解のためでなく、そのことで青森、岩手県民の関心を引き、再処理工場廃棄の認識を開始するためである。いや、特定県民ではなく、全国民の関心と理解と事故に対する備えのためである。専門家も評論家もみんなボケているが、ボケが一番深刻なのは当然にも国民の無関心/無理解だ。覚醒喚起の意味も込めて精魂を打ち込んで欲しいと思う。
なぜ<三陸の海岩手の会>なのかというと、管理人が知る限り、ほとんど唯一、この問題を系統的に、使命感を持って追求して、定期的に学習し、社会に対して警鐘を鳴らし続けてきているからである。専門家的市民グループ集団として国民的同調ボケから脱し、この事故を概念的に正しく把握しているからだ。市民団体レベルのリーダーシップをとってほしい。
このブログのこの過酷事故シリーズの(2)、(4)の<三陸の海岩手の会>のメーリング拡散で当ブログの管理者はその追求の一端を示したつもりであるが、しかし、はたして、読者はその内容の理解に至っているのかどうか? 近親の読み手にさえ伝わっているのかどうか? 文脈をなぞるだけでも言葉、原燃の資料など専門・特殊すぎて大変である。(難解で大変であってもその存在意味は変わらないことは自明)。誰もが理解できる発信が欲しい。
<三陸の海を放射能から守る岩手の会>とは?
この項目を提起することによって「青森・六ヶ所村で起こった原燃の背任ミス(7/3)」の個別緊急問題は一旦、視界から消え後景に追いやられるが、六ヶ所村、原燃の背任ミスは7/3に限らない、日常的に生成していることである。今回のミスはもちろん揺るがない。追求の手を緩める訳にはいかない…
<三陸の海岩手の会>が個別問題や地域の市民活動などに留まらないのは原子力という課題の重さや広がり、方位性から明らかである。市民へのPR、ニュースの定期発行、定期的情報取得、原燃など原子力発電機関(原発ムラ)への抗議・取材・課題提供、規制委員会など公的機関との連携、社民党や川田隆平氏など個別国会議員との共闘、関連団体との足並み、など守備範囲が広い。隣県青森六ヶ所村「再処理工場」の稼動と、その事故によって三陸沿岸の放射能海洋汚染が懸念されるからと発足した市民グループであったが、今、日本原燃、原子力ムラ、政府と直接的に対立する国民的市民グループのフロントランナーに押し上げられた、と見ることができる。「市民グループの代表」「市民グループの一つ」等の言い方はどうでもよい。
<三陸の海岩手の会>は、この高レベル放射性廃棄物再処理問題に関し、知識の蓄積、廃棄物処理プロセスの問題点の理解、その放射能核種の個別毒性・原子核レベルの粒子運動などについて、どの法人、どの機関、どの学界よりも知見が上である。(端的に言うと日本原燃より、原子力規制委員会よりはるかに上である。)上であることをもって(その自覚と目標をもって)原燃、規制委員会、学会、政界を説得することをもって、核廃棄物再処理事業の中止を提起している。
どの機関より知見がはるかに上というのは(←この辺りのことは改めてしっかり自覚、コンセンサスを取るべきだ→)一般市民にとってということである。<三陸の海岩手の会>は一般市民の近くにある。
※この項目 つづく
その後の日本原燃の「事故弁明」(7月19日)
管理方法や経営指針・経営モラル・経営哲学に遡って原因があるのに、そこは回避、マンガチックな失敗談、荷札(にふだ)表示的な思いつき再発防止対策に終わっている。「トラブルが発生した高レベル廃液ガラス固化建屋にある約540(!)カ所で月内に対策を講じる」(7/20 東奥日報)としているが、下の新聞記事のようなあらゆる意味でのレベル以下の再発予防策は信用できるものではない。
また、県、村、規制委員会の対応も同様、あらゆる意味でのレベル以下である。
東奥日報(2022.7.20)
陸奥新報(2022.7.20)
☆参考
(ウソばかりですみません)
記者会見で謝罪する日本原燃の担当者ら(青森県庁)=共同
「日本原燃は19日、使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)にある高レベル放射性廃液保管タンクの冷却機能が一時失われたトラブルで、協力会社作業員の操作ミスが原因と推定されるとの調査結果を公表した。原燃によると作業員は2日、タンクに水を循環させて冷却する2系列の設備のうち、停止中の系列の仕切り弁を閉めるよう指示されたのに、誤って運転中の系列の弁を閉めたとみられる。停止していた系列は安全対策工事中で、作業員は建屋内の一室で、配管の溶接作業に関わっていた。原燃の調査に対し、切断していた配管から空気が出ていたため、別室の工事監督者の指示に従い、仕切り弁を閉めたと答えているという。(略)」(7/19 日経電子版)
…無茶苦茶な弁明、なぜ工事監督者は別室にいるのか?なぜ停止中の弁を閉めるのか?なぜ当事者が調査(尋問)するのか?なぜ推定するのか?
(6)につづく