昆布が美味い

羅臼の昆布漁を見た時にスタートしたblogです。昆布のダシのように、人生の旅にも味付けをしたい。旅を中心に纏めています。

藤ノ木古墳

2009-11-10 | 歴史・文化遺産
  11/3、奈良、斑鳩の里、法隆寺西の藤ノ木古墳の公開があった。発掘調査が新聞に載ってから30数年、出かけてきました。古墳内は撮影禁止だったが、案内板と、パンフレットから紹介します。


 藤ノ木古墳の発掘が昭和60年(1985)に始まって、それが全くの未盗掘であることが発見された。

 発掘調査が進むとともに、大型の石棺があり、副葬品は数万点に達したという。世界的な大発見でもあった。

 村人は御陵(みささぎ)の丘と昔から呼び、そこには樹木があり、果樹の木が生えていた。その足元に古墳が、人の目に触れることなく保存されていた。







羨道の奥の石室には、真っ赤に塗られた大きな家型石棺があった。





成立年代は5世紀といわれていたが、調査の結果6世紀後半であることがわかった。それも聖徳太子が斑鳩へ移住する数十年前と推定されました。

内部も朱で染まっていた。




 勿論、石棺の蓋を開くまでには30余年間の綿密な計画の下で、発掘調査が行われたことは言うまでもありません。

棺の中は少しの土砂が被っていましたが、それを取り除くと、中の人物二人と副葬品が見えてきました。

↓は、それをスケッチしたものの図面です。上の写真と見比べて、品物の形状や、色彩や鮮やかな金メッキをした装飾品や刀剣、玉飾りの装飾品などを、ご覧ください。






この金メッキをした銅板の細工物は、冠である。緻密な飾りが施されている。緑色は銅板が錆びて緑青の色が出ています。



石棺と玄室の壁の隙間にも多数の品物が出てきました。


 その精巧さに世界が驚いたといわれる「金銅装透彫鞍金具」(こんどう そうすかしぼり くら かなぐ)です。馬の鞍の前と後にある半円形の枠に付けた飾りである。

 他に類例を見ないこの装飾性豊かな馬具こそが、一躍藤ノ木古墳を世界的に名をなさしめたものです。

右下の方に象の鼻が見えます。




赤い石棺の左端の隅に立っていたものです。装飾用・儀式用の履物でしょうね。丸くて小さな円盤がぶら下がっていますが、歩揺と言われ、当時の飾りではよく見られます。金メッキできらきらとして、ちゃらちゃらと音も出たでしょうね。




玄室の中に多数転がっていたものです。須恵器、土師器、高杯などなど。





発掘調査前の古墳で、平凡な丘です。頂上付近には、玄室の天井部の岩の一部が見えていたとか言います。円墳の直径は50m以上、高さ9mだそうです。