ひさしぶりにダッフルコートを着て出勤した。20年以上前に買ったものだが、最近着ていなかった。今年の東京はあまりに寒いから、あったかくてちょうど良い。電車の中で汗が出たくらいだ。明日も着て行くつもり。
それにしても、最近は何かというとダウンで、ダウンさえ着れば事足れりという風で、何だか腹立たしい。わしゃ、ダウンが嫌いである。いくら高級なダウンであっても、所詮はダウンである。薄型布団にくるまっているようなもので、ファッショナブルなはずがない。
女性はそれでもよいが、男はやはりコートである。コットンの渋いトレンチコートもよいが、ワシの好きなのはウールのぶっといやつ。ツイードやダッフル。何だか、昔の映画スターのようである。文学の香りさえする。
だいたい、ダウンに頼り過ぎで、ダウン以外だと頼りないように感じてしまいがちだが、昔のグローバーオールのダッフルなんぞ、むちゃくちゃ暖かい。日本では着る場所もないほどだと思っていたが、今年の東京は寒い。色はキャメルである。