振り返ると、悪い年だったのかどうだかわからなくなる。父も義母も突然亡くしたし、震災もあった。それだけ思い出に残れば、ものすごく悪い年だった気もする。
その代わり、娘たちは希望の学校に合格した。また、父母を亡くしたおかげで、自分自身、どこか変わったような気もする。震災があって、ボランティアで宮城や福島に行き、そこで新しい出会いもあった。ビニールハウスを手伝った苺農家の太田さんは無事出荷できた。
なくすことは不幸だけど、なくさないと得られないものもある。なくして得たことが幸せなこともある。そんな単純なことではないだろうが、そういうこともまた真実である。
葬式でお経を読んでいたら、不増不減とあった。不生不滅ともあった。いいことも悪いこともあって、トータルでゼロになる気がする。仏教は無常的でニヒリズムだという人もいるが、けっこう真実をついているのではないか。そんなことを思う今日この頃。