1. Die Tenutofermate テヌートフェルマータ
:音を楽節構造に沿って2倍、3倍、4倍...と音価引き伸ばす。
註 スワロフスキー教授はこう述べているが、整数倍でない場合もありうる。
曲中の同形同音価にかかるフェルマータは同じ長さであるべきである。
2. Die Pesantefermate ペザンテフェルマータ
:遅い楽章に現れる。重みをもたせる。音価は 3/4 倍になる。
3. Die Choralfermate コラールフェルマータ
: コラールの詩行の区切りとブレスを表す。テンポと音価は変わらない。
4. Inprovisationsfermate 即興フェルマータ
:カデンツァが挿入される。ソロ協奏曲やハイドンやモーツァルトのでは毎回即興
演奏が入る。歌の場合は前後でフレーズをつなげる。器楽曲では装飾や入口となる。
5. Die Tempoänderungsfermate テンポ変更フェルマータ
古典派の楽曲に現れる。休符の上にあり、前後のテンポや拍子を変える。前のテ
ンポと新しいテンポに関係性を持たせるか(モーツァルトやハイドン)、まったく新
しいテンポにするか(ベートーヴェン)の判断をしなければならない。
6. Die Szenenische Fermaten シーンフェルマータ
:歌手の立ち位置など演出上の都合を想定してつけられたフェルマータ。
7. Die Trennungsfermate 分離フェルマータ
:2つの和声的につながりのない部分を分離するためのフェルマータ。
8.区切りのフェルマータ(auch Zasuren sind manchmal als Fermaten notirt. と原文)
:音楽的な 内容が前後で異なる場合コンマ(くぎり)として使われる。単に休符
として示される場合もある。全休符で書かれている場合はテンポから解放された状態
である。
9. Die Fienefermate 終止フェルマータ
:作品や楽章を終えるため、終止線の前に現れるフェルマータ。最後の音符にむか
ってテンポが収まるが、その音価自体は伸びない。
また、ダ・カーポなどの繰り返し先に終わりのマークとして使われることもある。