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世界では戦争や有事の危機、国内では政治家の襲撃事件が相次ぐ。不穏な空気
が漂う中、対話や交流が遮ぎられていないか。「遮断」を乗り越えるにはどうすれ
ばいいか。自らも昨年、大学構内で襲撃された東京都立大教授で社会学者の宮台真司さんに話を聞いた。分断や孤立が社会に影を
落としています。親しい仲間と深い議論ができなくなり、考えが間違っていても正されなくなった結果、すっ頓狂な考えが脳内を残響し続ける「脳内エコーチェンバー化」が蔓延しています。
人は、他者に諭されたり叱られたりして思い込みを正されて、初めて妥当な政治的・学的な意見を持てます。それができずに見たいものだけを見る人がたどり着くのが「他責化」と「他罰化」。「自分の不幸は○○のせい」と思い込み、○○を攻撃し「ショボイ」
自分を補完するのです。
昨年7月の安倍晋三元首相、昨年11月の私、先日の岸田文雄首相への襲撃は、も恨みによる個人標的型か、条件を満たせば誰でもいい
条件付き無差別型かという違いがたとえあったにせよ、共通して、何でも話せる仲間がいれば止めてもらえたはずです
「不幸は○○のせい」 思い込んだまま
1960年代の団地化で地域が、80年代のコンビニ化で家族が、 そして90年代中ごろからのケータイ化で関係全般が、空洞化し、以降「KY(空気を読めない)」を恐れてキャラを演
じるだけの関係に、若者が支配されはじめます。それから四半世紀を経て彼らの
子どもが若者となり、今は言いたいことを言えない空気が全体化しています。日本人は古くから空気を読んで所属集団内のポジション取りをしがちです。 三島由紀夫は「天皇主義者が一夜にして民主主義者に早変わり」と言い、価値観を欠く 「空っぽ」ぶりを指摘しました。 英公共放送BBCが発信するまで「ジャニ一喜多川問題」を報じなかったマスメディアも「空気を読んだポジション取り」の例外ではありません。
「ポジション取り」 やめ自由に表明を
今の状況が続けば社会は確実に劣化し、ゆえに経済も政治も劣化します。 それでますます生きづらくなり、「脳内エコーチェンバ一化」による事件も増えるでしょう。
私が襲撃後に臆病風に吹かれることなく、いち早く言論活動を復活したのは、正論を語るかに見えてしょせんはポジション取りに過ぎないと、三島の指摘のように見切られがちな日本の言論傾向にあらがうためです。
巷には、襲撃事件の背景を論じると犯人の免罪につながるとの議論がありますが、背景を論じて手当てしない限り、同様の事件を夢
延させる悪い社会は改まりません。
他方、 SNSが加速する「脳内エコーチェンバー化」と、元からの「空気の支配」は、民主政の作動を必然的に歪めます。 周囲と議論しながら固めた意見を、空気にかかわらず自由に表明できるようにならいと、日本の劣化は今後加速するでしょう。
ここから私の意見です。
安倍元首相暗殺事件は、
2度とあってはいけないことです。
特にこの犯人は、
「脳内エコーチェンバー
化」だけでなく、実際の生活が
「脳内エコーチェンバー
化」化するまで追い込まれ、実際にその数がどんどん増えている世の中になっていると思います。
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