えびす顔の造花卸売問屋元社長からの手紙

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「チベット白書」を読んで(15年前の感想文)

2008年04月20日 22時27分21秒 | ドンキホーテ
 正直、驚いた。ダライ・ラマがインドに亡命していること、1987年にラサで暴動が起きたことは知っていた。だが、○○万人ものチベット人が中国の弾圧と迫害で死んだことは全く知らなかった。チベットは共産中国の成立後、自治区としてある程度の自治を保ちながら、『平和』に存在していると思っていた。

 アイヌの方の問題も頭に浮かんだ。10万人を切ると言われているアイヌ民族。中国がチベットで行ったことと変わりがない。千数百年に及ぶ侵略で、ほとんどのアイヌ人が日本人に同化させられた。東北、北海道は日本人の土地になった(日本人とは何かとの問いはあるが)。現実に北海道をアイヌの人に返すことは無理なことだろう。

 さらに、今、私は中国の緑化を進める運動に参加している。仕事としてホンコンに住む中国人と付き合いがある。チベット問題では加害者の側にいるとも言える。
 その日本人の私が、チベットを語る。自己矛盾のような気持になる。でも、チベットを知ることで自分の位置をより深く知ったと思う。

 民族の問題は本当に難しい。漢民族の方が多くなったチベットで、今後チベット人が民族自立を達成できるのか、疑わしい。この書には書かれていないが、ダライ・ラマは「中国人を憎みもしないし、武力でチベットの自治を勝ち取る動きには協力はしない」と言っていると聞く。非暴力・不服従の思想でインド独立を勝ち取ったマハトマ・ガンジーとも通じる。崇高な仏教徒の生き方だ。だが、そんな悠長なことでいいのか。手をこまねいているうちに完全に同化されてしまうんじゃないかとも思う。

 ただ、希望はある。誰もが予想しなかったソ連の崩壊、少数民族の独立。中国だって同じになる可能性はある。今、日本人の私たちが出来ることは、チベットの問題をより深く知り、考える。そして、一人でも多く周りの人に伝えることで世論を盛り上げる。これぐらいはチベットの自立にほとんど効果が無いかも分からない。それに自分とアイヌ人や中国人との関係を考える時、自己矛盾に陥る。単なる自己満足かも知れない。でも、やってみよう。少なくとも自分の位置を確かめる糧になる。


 以上は1993年6月、知人が主宰していた読書感想文コンクールで、課題図書の「チベット白書」(英国議会人権擁護グループ報告、日中出版)を読んで寄せた一文です(ほぼ原文ですが、現在の状況にどうしてもそぐわない数箇所を修正しています)。

 それから15年、感想文に「日本人の私たちに出来ることは・・・」と勇ましく語ったことをどれほど行ったか。そんな風に問われると、「全く・・・」としか答えようがありません。

 そして、何も変っていないだろう、もしくは悪化したかもしれないチベットの状況の中で北京五輪を控え暴動が起きました。

 今こそ私に出来ること、しないといけないこと。

 1、日本政府に「ダライ・ラマと中国政府の対話」を推し進めるよう求める手紙を書く。
 2、中国政府にダライ・ラマとの対話をするよう要望する。
 3、チベットの支援組織に寄付をする。

 15年前の感想文であんだけの大見えを切っている。これぐらいは必ずやらないといけない。
コメント (1)
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