TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

劇場版ドクターX

2024年12月30日 | 映画鑑賞日記

12月29日、友達に誘われて映画『劇場版ドクターX』を見てきました。この映画は米倉涼子さんが演じておられる天才外科医・大門未知子の12年続いたドラマの集大成でもある完結編の映画化作品です。予告編や映画の完成披露の芸能ニュースなどでよく『劇場版ドクターX』の話題が取り上げられていたので知ってはいたものの個人的には病院関連のドラマや映画は自分から進んでは見ないようにしていたので、友達に誘われることがなかったら一人では絶対に見に行かなかった映画でした。

この映画ではドラマでは知られてなかった大門未知子のルーツが描かれていたようでした。初めて見たけれど、完結編の映画ではこれで最後になると思わせるようなドラマの集大成になっていたかのような描き方に思いました。最後のエンドロールで今までのドラマに出演された方々がたくさん紹介されてました。今年亡くなられた西田敏行さんへの追悼のメッセージが一番最後に英語で表現されてました。

大門未知子が院長の神津の命を助けるために必死に手術していたシーンにはすごみと驚きを感じました。最後に命を救ってもらった神津に大門未知子が生きるんだよと後ろ姿を見せながらひとりごとにように語っていたシーンは大門未知子の根底に流れていたいろいろな熱い思いが詰まっていたなあと思いました。

友達はこのドラマのファンみたいだったので、よかったわと言ってましたし、映画が終わった後に拍手してました。

この映画では手術をしているシーンが何回も出てきてました。造り物の臓器と分かっていてもリアルなのでそのシーンは目を閉じて見ないようにしてました。病院の手術などのシーンは超苦手です。いろいろなことを思い出すからです。病院関連の映画を見ることはもうこれでないかもと思いました。

 

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ふしぎ駄菓子屋銭天堂

2024年12月27日 | 映画鑑賞日記

12月13日、映画『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』を見に行ってきました。

この映画はアニメ映画やテレビアニメにもなった2013年に刊行され子供たちを中心に人気沸騰している傑作本の実写化の作品です。以前レンタル店で借りて観賞したアニメがおもしろかったこともあり、映画の予告編で天海祐希さんが駄菓子屋の店主紅子を演じられると知っておもしろそうだなあと思い、公開初日に見に行きました。

 

新米小学校教師小太郎をなにわ男子の大橋和也さん、小太郎の後輩で彼が密かに思い続けている雑誌編集者陽子を伊原六花さん、紅子を敵視するたたりめ堂の女主人よどみを上白石萌音さんが演じておられ楽しい映画になってました。

 

銭天堂で売られている不思議なお菓子を食べるとその人が願う望みが叶えられるのですが、説明書を読まずに食べ方を間違うと大変なことになってしまうという不思議な駄菓子屋さんのお話です。幸せになるか不幸せになるかはその人次第、映画を鑑賞してもその鑑賞する人次第でいろいろな見方が味わえるような映画だったなあと思いました。

 

会えなくなってしまった人たちに一瞬でも会えるような駄菓子があれば買いたいなあと思いながら鑑賞してきました。

 

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ラーゲリより愛を込めて

2024年12月01日 | 映画鑑賞日記

11月16日、ピース大阪で上映された映画『ラーゲリより愛を込めて』を鑑賞しました。実話を基にした2022年に公開された作品です。終戦後シベリアのラーゲリ(収容所)に抑留されて強制労働を強いられながらも日本にいる妻と子供たちに再会するために帰国(ダモイ)の日が必ずやって来ると希望を持ちながら抑留者たちとシベリアでの生活を共にしてきた主人公山本を二宮和也さんが演じておられました。どんな苛酷な状況下でも希望を失わなかった山本でしたが、山本の身体を病魔が襲い、ダモイの希望が絶望に変わって行く様が描かれて行きました。苛酷なラーゲリの生活の中でも希望を持って生き抜く姿勢を貫いてきた常に前向きだった山本の姿はラーゲリでともに生活し、絶望に打ちひしがれながら生き続けていた仲間たちの姿に徐々に変化を齎すようになりました。病魔に襲われて山本の命が危機に陥ったとき、ダモイが難しくなってしまった山本に対して、仲間たちは日本にいる家族に向けて遺書を書くように勧めます。最後の力を振り絞り家族に遺書を書いたノートはロシア兵たちに検閲を受け最後には没収されてしまいますが、その遺書を日本にいる山本の家族たちに必ず届けようと仲間たちがそれぞれの脳裏に記憶して行きました。山本が亡くなった後、ダモイできた仲間たちはダモイできなかった山本の代わりにそれぞれが記憶しておいた山本の遺書に書かれていた言葉をそれぞれの家族や大切な人への思いを合わせながら山本の家族に山本の遺志を届けるというストーリーでした。

この映画を見終えて、苛酷な状況下でも希望を持って生きたいと絶えず思いながら生きてきた山本はすごい人だと思いました。どんな苛酷な状況でも希望を持って生きていくことの意味と亡くなっても生きて来た証である真心が籠った山本が家族に投げ掛けた遺書の言葉が家族の心を救い、その言葉を胸にこれからを生きて行くことができるという最後のシーンが印象に残りました。真心の籠った言葉は人を動かすでしょうし、真心が籠った態度は人の心や態度を前向きな方向に変化させることもできるということを感じた作品でした。この映画で描かれていたシベリアでの抑留生活は実際はもっとひどいものだったでしょうと想像できましたし、戦争ほどひどいものはないということを更に再認識させてくれた映画でした。戦争をしない国政をこれからも続けて欲しいですし、世界中から戦争がなくなっていくことを祈り続けて行きたいと更に強く思った映画でした。

 

映画『ラーゲリより愛を込めて』予告【12月9日(金)公開】

 

 

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がんばっていきまっしょい

2024年11月23日 | 映画鑑賞日記

11月13日、アニメ映画『がんばっていきましょい』を鑑賞してきました。昔このアニメの土台になっている原作本を買ったものの積読で読まず仕舞いだったのですが、映画館での予告編でアニメ化されろのを知ったのがきっかけで見に行ってきました。大分前に実写化されていた映画作品もあり、連続ドラマも放送されていましたが見ようと思いながらも結局見る機会を逃してしまっており、今回やっと『がんばっていきましょい』を見ることができました。

劇場アニメーション『がんばっていきまっしょい』本予告【60秒】|2024年10月25日(Fri)全国公開

一生懸命に生きることをあきらめかけていた高校生たちがボートに出会い、仲間たちと青春を謳歌して行く物語です。歳を重ねた今、誰にでも青春時代は必ずあったということを実感しましたし、青春時代をどれだけ輝かせることができるのか、そしてその後の人生にどんな影響を与えるのかなど、どの世代の方々にもそれぞれ響いてくるものが必ずあるような良質のアニメだったと思いました。いくつになっても前向きになることの大切さを再認識しました。背景がとってもきれいだったですし、愛媛県の松山のきれいな景色がたくさん出てきてたのも見逃せないアニメになっていました。レース前に5人の仲間たちの「がんばっていきまっしょい」の掛け声が力強くっていろいろな場面で頑張るときに使えそうでした。

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アイミタガイ

2024年11月20日 | 映画鑑賞日記

11月13日、映画『アイミタガイ』を鑑賞してきました。桑名駅で映画のポスターが貼ってあったのを見掛け桑名が舞台だったんだと思い、見に行こうと思ったのがきっかけでした。

「アイミタガイ」とは、「誰かを想ってしたことは、巡り巡って見知らぬ誰かをも救う。」という意味だそうで、この映画を見ると不思議な人と人との繋がりのひとつがこの「アイミタガイ」によるものかもしれないなあと誰もがあるようなことを優しいタッチで終始描かれていた作品でした。目に見えないけれど誰でもあるのだろうと思えるような何気ない人への優しい思いが回り回って自分のところにやってくることは気付かないだけで誰にでも起こりることなのかもしれないなあと思いました。主人公の楓(黒木華さん)と叶海(藤間爽子さん)の友情がいいなあと思いましたし、楓をずっと優しく見守る青年澄人(中村蒼さん)がとっても素敵な人だなあと思いました。こんな人に思われる楓は幸せだなあと思いました。草笛光子さんのピアノを弾かれてたシーンもよかったです。最後に流れていた黒木華さんが歌われていた主題歌「夜明けのマイウェイ」の優しい歌われ方でしみじみと心に響いてきました。最近行ってきた桑名駅の様子や以前行ったことがあった九華公園付近が背景に出てくるとここだあと思ったりしましたし、桑名の街並みが映画の主題としんみり上手に混ざりあって風景と心情が自然に溶け込んでいたのも印象に残りました。ほっこり優しい気分になるような映画でした。東京が舞台になる映画が多い中、いろいろな地域が舞台になっている映画はやっぱり心に沁みる映画が多いなあと思いました。これからももっと地域から発信される映画を見たいなあと思いました。オススメの映画です。

 

映画『アイミタガイ』本予告【11月1日(金)公開】

 

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おしゃべりな写真館

2024年10月15日 | 映画鑑賞日記

10月11日、映画『おしゃべりな写真館』をなんばパークスシネマで鑑賞してきました。この日は公開初日で鑑賞後舞台挨拶がありました。

この映画のあらすじは以下を参照ください。公式HPから転載しました。

北海道の十勝平野の北部、鹿追町に100年近い歴史のあ る写真館が建っている。

 三代目・三國勘太郎(橋爪功) が亡くなり住む人のいない写真館に、2年前に亡くなっ た娘・敬子(賀来千香子)の夫、フォトグラファーの松原雄二(中原丈雄) がやってくる。緑内障となり失意の 雄二の元へ、「写真館を譲る」と勘太郎の遺書が届いたからだった。

 写真館を処分するつもりでやって来たのだが、鹿追町の大自然に触れ、離れづらくなっていく。

 冬のある日、 雪の中で動けなくなっている少女 吉本麻衣 (新人)を 助ける。麻衣は、京都から山村留学でこの地へ来ていた中学生だった。心に傷を持つ麻衣と目が見えなくなる失意の雄二。

 雄二は、麻衣の里親となり、写真館での二人暮らしが始まる。
 そこへ、幽霊の勘太郎と敬子が現れる。驚く麻衣。麻衣 には、幽霊と話せる能力があったのだ。勘太郎は、死ぬまでに町の人々の写真集を作るという計画を持ってい た。カメラを持たなくなった雄二を、麻衣に協力させ写真を撮らせようとする勘太郎。敬子は、愛する夫を残し先立ったことを雄二に謝りたいが、どうすることもできない。
果たして、雄二は目が見えなくなる中、カメラを持つ ことができるのか?
麻衣の心の傷は、癒えるのか?
勘太郎の写真集は完成し、成仏できるのか?
敬子は、雄二を励まし愛していると伝えられるのか?
大自然の四季を通して、4人(2人は幽霊) の
思いが描かれる心温まるドラマ。

この映画を見ようと思ったのはホントに偶然でした。この日行こうと思っていた同じなんばパークスミュージアムで開催された美術展を見に行くためにこの日の朝なんばパークスのHPを見ていて偶然目に止まったのがこの映画のHPでした。数日前に十勝地方を旅したこともあって十勝地方を舞台にした映画だと知り、きれいだった十勝地方の景色を舞台にしたどんな映画になっているのだろう見てみたいと思ったからでもありました。十勝地方の春夏秋冬の美しい景色の中で暮らしている人々の暮らしぶりとその中での人と人との繋がりが主に描かれていた映画でした。主人公が写真撮影を通して静かながらも内にしっかり保ち続けていた熱い心が十勝地方の美しい風景と相成ってほのぼのとした温かい優しい気分にさせてくれるようないろいろな思いがたくさん詰め込まれていたいい映画でした。

旅先で見掛けた十勝牧場の白樺林や道の駅うりまくなどなど鹿追町や然別湖や音更町などの帯広の美しい景色とストーリーがしっかり溶け込んでいた素敵な映画でした。

映画『おしゃべりな写真館』予告編

おしゃべりな写真館 〜完成までの道のりを支えた人々〜

 

映画を鑑賞した後、出演されていた中原丈雄さん、山本雪羽那さん、賀来千香子さん、藤嘉行監督の舞台挨拶がありました。

最後に写真撮影できる時間が設けられました。(左から中原丈雄さん、山本雪羽那さん、賀来千香子さん、藤嘉行監督)

賀来千香子さんは映画と同じ衣装を着ておられました。賀来千香子さんは枚方市でお生まれになられたと挨拶されていました。

舞台挨拶でいろいろなお話を聞くことができました。この映画を作るきっかけになったお話、三国写真館をセットで鹿追町に一から新しくきれいに作られてその後100年以上経って劣化したように見せるために手を加えられてもったいないと言われたこと、然別湖のホテルでのお話などなどどれも興味深ったですし、支えれられた方々と一緒に作られたことがよくわかったお話が印象に残りました。然別湖のホテルの周りにはお店もコンビニも何もないところで自然に囲まれたところだったというお話もされてました。映画の中で出て来ていた然別湖やくちびる山が神秘的でとってもきれいでした。然別湖のホテルにはだいぶん前に一度だけ家族皆で泊まらせていただいたことがあり、そのときのことを思い出しまし、先日この付近を旅したときにもくちびる山はバスの車窓から見掛けたので懐かしかったです。十勝地方の四季折々の風景が本当に美しく描かれていたのは2年間に渡って撮り続けて来られたというお話もされていてこの映画に掛けて来られた静かだけれどものすごく熱い情熱とこの地へのいろいろな愛を感じた映画だった気がします。

いただいてきたタオルと広報しかおい3月号 特別編集版

 

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とりつくしま

2024年09月28日 | 映画鑑賞日記

9月27日、この日から公開された映画『とりつくしま』を鑑賞してきました。この日から1週間しか上映されないということでこの日に見ておかないと後日だと見に来れないという事情があったので初日に見に行ってきました。この映画は東直子さんの原作本の映画化作品です。著者の娘さんである東かほりさんがお母さんの小説を元に脚本・監督されて作られた映画でした。原作本は2007年に読んだことがあり、この小説が映画化されることを知ってどんな映画になっているのだろうと思って興味があり見に行きました。

この映画は亡くなってしまった人々が亡くなった後、大切な人の身近な「もの」になって、その人の側に戻って来れるというストーリーでした。夫のお気入りのマグカップになった妻、大好きな公園の青いジャングルジムになった男の子、孫にあげたカメラになった祖母、ピッチャーになった息子を見守るために野球の試合途中で使う白い粉・ロージンになった母の4編がこの映画で描かれていました。どんな「もの」になれるかを道しるべしてくれるとりつくしま係の役がキョンキョンだったのをこの映画を見てから初めて知りました。

亡くなった人は大切な人を形を変えて見守ってくれているかもしれないし、亡くなった人と遺された人を繋いでくれている大切な「もの」の存在はその人同士の見えない絆であって根底には深い愛が隠されていたということをしみじみ思いながら鑑賞してきました。

原作本を読んだときは家族が皆元気だったのでこの「とりつくしま」に描かれていたことが現実味を帯びてなかったのですが、家族が亡くなってしまった今はいろいろな思いがひしひしと押し寄せてきた「とりつくしま」でした。

映画『とりつくしま』予告編

 

 

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スオミの話をしよう

2024年09月15日 | 映画鑑賞日記

9月14日、梅田の映画館で映画『スオミの話をしよう』を見てきました。三谷幸喜脚本監督の5年ぶり9作目のミステリーコメディ作品です。

あらすじは予告編を貼り付けたのでそちらを参考にされてください。

【予告】映画『スオミの話をしよう』予告【9月13日(金)公開】

スオミ役は長澤まさみさんで、三谷監督はこの映画が長澤まさみさんの映画だと言われてましたが、その通りだった気がします。長澤まさみさんが演じるスオミが5人の現夫・元夫に見せていた姿はそれぞれ違っていてそれぞれの夫たちに合わせていたという設定でした。スオミを取り巻く男たちを翻弄させていたスオミの姿はそれぞれ合わせて生きて行かないといけないというようないわば自らの立場を守っていた姿に見えました。

この映画を見終えるとスオミの夫たちがスオミを一番知っているとそれぞれ自負していたことやスオミを一番愛していると競っていたことがスオミにしたら全く違っていてスオミを夫側の解釈だけで夫たちが都合のよいように理解してスオミの自由度を低め縛り付けていたように思いました。本当の心の底では繋がり切れていなかったという関係性の連続だったのでしょうと思いました。女性の立場から見た男性の一面的な見方やこうあって欲しいというような押しつけがスオミに取ったら自分を解放できる夫たちではなかったということがよく理解できました。社会的ないろいろな問題点が浮き彫りにされていた風刺的な要素もいくつか描かれていた作品だった気がします。この映画を見ていた最中に最近ニュースで毎日取り上げられている兵庫県知事のことを思い出しました。組織の中の上司と部下の関係や立場が違う人同士の関係など、立場が違う人同士が気持ちよく繋がることができるようにするにはスオミ目線で見るとその関係性が果たして今のままでいいのかということがよくわかるかもしれないと思いました。

この映画はコメディ映画なので、到るところで笑いを誘うシーンが盛りだくさんでした。セスナの中でのシーン、おもしろかったです。セスナでの瀬戸康史さんの演技が光ってました。スオミが三番目の夫と中国語でしか話をしていなかったという設定で、本当に中国語で話しているのと思えたシーン、よく聞くと日本語の方言を中国語ぽくしゃべっていただけだったシーンに聞こえました。

最後のシーンは全員でミュージカルのように歌って踊っておられたシーン、圧巻でした。長澤まさみさん歌がお上手でした。この映画で長澤まさみさんの演技の素晴らしさがよくわかるシーンがあちらこちらで散りばめられていました。

ドタバタ劇のシーンがたくさん出てきますが、全編を通して、楽しい映画になっていました。

 

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ある一生

2024年07月27日 | 映画鑑賞日記

7月23日、梅田の映画館で映画『ある一生』を鑑賞してきました。この映画は20世紀の時代を生き抜いてきたエッガーの80年に及ぶ一生が描かれていました。エッガーは時代ごとに、青年期をシュテファン・ゴルスキー、老齢期をアウグスト・ツィルナー、幼少期をイヴァン・グスタフィク、3人の俳優さんが演じておられました。世界40カ国以上で翻訳され160万部以上発行、ブッカー賞最終候補にもなった原作であるローベルト・ゼーターラーの同名小説の映画化作品です。オーストリアのアルプスを舞台に、エッガーが歩んできた過酷で不条理だった人生が主に描かれていました。農場主による暴力、戦争、唯一愛した女性マリーを失ってしまうという耐えられないような悲しさや絶望がエッガーを何度も襲うのですがその都度、立ち上がって生きて行くエッガーの生き様を通して人が生きて行くときの一つの真実が何であるかを見る人それぞれに問い掛けているかのような映画だった気がします。美しいアルプスの大自然がエッガーを癒すこともあれば、時には苛酷で恐ろしい自然であることを知らされたということやその美しい自然の中で農場主から暴力を受け続けていたという少年時代のどうしようもないやるせなさなど、美しい自然と人間の心の中の暗闇が対比して描かれていたかのような気もしました。自らが想定しているようには人生が描かれて行かないことも多々あるということを人それぞれがどのように受け取りどのように最期を迎えるかを描いていたようにも思いました。

予告動画を貼り付けました。

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九十歳。何がめでたい

2024年06月30日 | 映画鑑賞日記

6月26日、映画『九十歳。何がめでたい』を見てきました。佐藤愛子さん原作のエッセイ『九十歳。何がめでたい』と『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』の原作を元にした映画化作品です。『九十歳。何がめでたい』は読みました。

90歳で断筆宣言をした直木賞作家佐藤愛子(草笛光子さん)の下にエッセイを連載してもらおうと大手出版社に勤める編集者吉川真也(唐沢寿明さん)が何度も佐藤愛子の自宅を手土産を持って口説き落とそうとやって来ては歯にものをきせぬ言い方で毎回追い返されるという状況を繰り返しながらも佐藤愛子が根負けしてエッセイを書くことになるというストーリーでした。佐藤愛子と吉川真也の作家と編集者の出会いを通して、人生100年時代を生き抜く上で実践されてきた佐藤愛子さんの生き方をコメディタッチで終始描かれていく楽しい映画でした。この映画を見終えるとこれから生きて行く上でのたくさんのヒントをいただけた気がしますし元気になれたような気がします。90歳の草笛光子さんが生き生きと佐藤愛子さんを見事に演じ切っておられたのが素晴らしかったです。

雑誌に連載されていたエッセイが本になって、病院や街中などで本を手に持って皆が笑顔で笑いながら読まれていたシーンはちょっと大げさぽいシーンだったように思ったけれど、いろいろなことが伝わってきた印象的なシーンでした。 

唐沢寿明さんは格好いい役柄が多い印象だったけれど、この映画で、奥さんや娘さんに愛想をつかされ、また、パワハラでやっかいもの扱いされているという編集者の役を好演されていてどんな役もこなせる俳優さんだなあと思いました。

子供の声がうるさいという新聞記事でエッセイを書かれていたことで子供の声をうるさく思ったことがないと佐藤さんが語っておられたシーンがありましたが、同感しました。私も子どもたちがワーワー言いながら遊んで大声を出していても気にならなかったからでした。

三谷幸喜さんが出演されていたのを後で知りました。タクシーの運転手さんの役だったのですね。佐藤愛子さんの娘さん役は真矢ミキさん、お孫さん役は藤間爽子さんが好演されてましたし、清水ミチ子さん、木村多江さん、オダギリジョーさん、石田ひかりさんなどもちょい役で出演されていたのが印象に残りました。

佐藤愛子さんと娘さんとお孫さんが年賀状の画像を作成するために毎年いろいろな格好に変装されて写真を撮っておられたのは最後のエンドロールで何枚か出てきていましたし、映画の中でも草笛光子さんと唐沢寿明さんが衣装を着て踊っておられたシーンも出てきてたのも印象に残りました。

佐藤愛子さんを草笛光子さんが佐藤さんか草笛光子さんかどちらのお姿かとわからないくらい草笛さんがあまりにも上手に佐藤愛子さんの日常を好演されていたのを見ると佐藤さんは日常はっきりものを言う方なのだろうなあと思いました。その言い方は人を笑顔にさせたり元気にさせてくれたりするような愛敬や愛情が籠っていたりするので人を引き付けるのだろうなあと思いました。昨年100歳を迎えられた佐藤愛子さん、お元気なのが何よりですね。

この映画では、佐藤愛子さんが仕事を再開して、90歳を過ぎても生き生きとエネルギッシュに執筆続ける姿が描かれていましたが、歳を重ねて仕事をしなくなっても誰でもできるものが必ずあり、誰でも何かしらをすることによって、生きがいになったり、人の役に立てたりすることが必ずあるということを知ることができた気がします。歳を重ねてもいつも生き生きと楽しく過ごしていくことのヒントがいっぱい詰まっていた映画でした。

『九十歳。何がめでたい』本予告60秒【6.21㊗公開】

この映画を見終えたら映画館の座席が満席になったその超人気の理由がわかった気がしました。

 

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