亡くなった人と話しませんか サトミ 著 幻冬舎
新聞広告でこの本を知り、買って読んでみた本です。作者は、スピリチュアルテラーとして活動されておられる方でした。死者と交信できるという能力を持たれていて、普段は相談者から依頼があると、対面して、亡くなった人などから届く言葉やメッセージを伝える活動をされているそうです。小さいころから、普通の人には聞こえない声が聞こえたり、みえないものがみえたりされたそうで、この本では、死後の世界について説かれたり、ご自身がスピリチュアルテラーとして活動されるまでの経緯などについても書かれていました。人が亡くなるときに、今まで一番会いたかった人が迎えに来てくれるということは少ないらしいですが、安心して誰かが迎えに来てくれるということ、天国に行った人は80年から150年くらい川の側をずっと歩き続けているということ、その人が元気で一番輝いていたころのいでたちで歩いていたりすることもあるらしいということ、歩き続けて辿りついた関所のようなところで、現世で徳を積んだ人は生まれ変わりやすい人がいる反面、成仏できない人がいるということ、亡くなった人同士はあの世では会えることが少ないことなどなど、死後の世界のことがたくさん記載されていて興味深かったです。人が亡くなってからでも、その人の名前を呼んで、その思いを伝えるとその思いが届くということも記載されていて、読んだ後、即、実行してみました。個人的に、2か月前に母を亡くしたのですが、結果として、病院での長きに渡る入院生活を余儀なくさせてしまったのは私でした。母に謝りたいという思いがずっと心の奥深くに潜んでいました。ずっとくすぶっていた自己を責めていたかのようないろいろな思いを生きていたときに言葉にして謝ることができませんでした。この本を読んで、亡くなった後になってようやくやっと口に出して謝ることができました。この本の中で語られていたことは、作者が体験された多くの事例が語られていました。亡くなった人は、残された人のそばにいていつも見守ってくれているということ、残された人が生き生きと過ごす姿を見せてほしいし、幸せになってほしいと願っていてくれるということが書かれていました。この本の中に書かれていた文章を読むと、不思議と自然に救われた気持ちになりました。いろいろな辛かった思いがすっと飛んで行った気にもなりました。「残された人には幸せになる義務がある。」という言葉が自分の心に光を灯してくれた本でした。閉ざされた心を開放してくれるような本に出会ってよかったと思えた本でした。本の中でも言及されていましたが、大切な方が生きておられるときに、後悔を少しでも少なくするように思いを話しておくことや、コミュニケーションをしっかり取っておくことが一番大事、会えて話ができる間にできるだけのことをしておくことが大事かと思いました。まだ、大切な方と会えているという時間を大切に過ごして行くのが最も大切なことなのだと再認識した本でもありました。