12月27日、映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』を見てきました。映画館内は若い世代の方々を中心に前のほうの席まで埋まってました。この映画を見ようと思ったきっかけのひとつは11月に見学したピース大阪でポスターが貼られていて宣伝されていたので興味を持ったからでした。もうひとつのきっかけは、主役の佐久間彰役がNHKの朝ドラの『ブギウギ』で愛助役を好演されていた水上恒司さんだったからでした。以前見に行った映画の本編の前に流れていた公開前の宣伝でこの映画が流れていたのを見ていました。ブギウギで最近すず子の大ファンで相手役の愛助を演じておられた好青年が水上さんだったのを知りました。どこかで見たことがあった俳優さんだなあと思っていたらこの映画の公開前の宣伝のCMで見たことがあった方だったと思い出して見に行ってこようと思ったからでした。
この映画は現代に暮らす高校3年生の加納百合(福原遥さん)が1945年の6月の日本にタイムスリップしてしまい、そこで出会って優しく助けてくれた特攻隊員の彰(水上恒司さん)に恋心を抱きながら軍の指定食堂で働き女将のツル(松坂慶子さん)や彰の仲間の特攻隊員たちと交流を続けていく様子が描かれていた映画でした。親しくなった特攻隊員たちの出撃する運命の日がとうとうやってきて、切ない別れを1945年の時代の中で体験しながら百合が次第に成長していく様が印象に残ったお話でした。
なぜこんなにものすごい多くの若い世代の方々が見に来られているんだろうと思うほどその人気ぶりの根底には何が流れているんだろうと思いながら見てきました。映画館のいろいろな場所から泣き声が聞こえてました。SNSで泣ける映画として話題になっていた映画だそうで、若い世代の多くの方々の心に響く映画として反響を及ぼしているようです。最後まで見終えた私は切なくて無念に思うシーンがたくさん出てきてましたけれど、涙は出なかったです。特攻隊や戦争を描いた映画は何度も見たことがありますし、タイムスリップする映画も何回か見た覚えがありました。特攻隊の記念館を見学したときは涙しましたが、以前見た『永遠の0』の映画でもやはり涙が出て来なかったときと同じでこの映画を見終えてもなぜか涙は出て来なかったです。涙するほどの若い世代の方々と受け取り方がどこか違っていたようです。今の若い世代の方々の身近なご家族、ご両親や祖父母から戦時中の話をじかに聴く機会がほとんどない時代に生まれて育って来られた方々がもうほとんどになってきた時代になっていたことをなんとなく実感したような気がしました。もしかしたらその違いが一因だった気もします。
当時の特攻隊員に志願した青年たちの気持ちが現代のひとつの歴史に繋がっていることやその永遠の尊くて切ない思いは日本に生きている人々は忘れてはいけないと思いますし、戦争のない時代に暮らせることの大切さや考えさせられたいろいろなことなど多くのことを伝えたかったような映画だった気がしました。
百合のことを思いながら百合一輪と一緒に突撃して行く彰が何を物語っていたかは見た人それぞれに違うものを与えたのかもしれないですね。真っ白な百合の群落はエンドロールで可睡ゆり園の名前が出てたのでそこでロケされていたのだなあと思いました。現代においてもウクライナとロシアやパレスチナなどのニュースで流れている実際の戦争で、美しい花々が咲いている映像が差し込まれて映っていることがありますが、きれいな花が咲いている場所で戦争をしていること自体が悲しいですね。オーストラリアに行ったときに途中で飛行機の上からニューカレドニアの上空を通ったときにこんなきれいな海で戦争をしないといけなかった人々の空しさや切なさが景色の美しさと相反していた時代があったのだと思ったときと同じような気分になりました。
突撃するシーンが出てくると同時に百合が現代に戻ってきたのも不思議でしたけれど、戻ってきて、1945年に出会った特攻隊員の人々が実在されていた人々だったのを知り、彰から百合への手紙も展示されていたのを知った百合の姿が印象的でした。
見終えた若い世代の方々は見終えた後、ほとんどの方々がすぐに席を立とうとされずしばらく席で座っておられたのはなぜだろうとかこの映画が見た人それぞれに与えた影響が結構幅広く深いものだったのかもしれないなあと思いました。
こういうストーリーになるのだろうなあと推測できたほど予想どおりに進んで行った映画だった気がします。最後の主題歌は福山雅治さんが歌っておられました。この主題歌は今年の紅白で歌われるようです。この日、先に見たアニメ『ウィッシュ』でも福山さんの歌を聴いたのでこの日は終日福山さんの歌をたくさん聴いた日になりました。