これが私の生きる道

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「森に眠る魚」角田光代著

2009年08月07日 21時41分43秒 | 読書
「森に眠る魚」という小説を読みました。
 東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通してしだいに心を 許しあうが、いつしかその関係性は変容していた。
平たく言うと「お受験」と「ママ友」の話です。

自分の小学校時代に私立の中学校を受験して進学する人はまれで
知る限り、5人もいませんでした。
土地柄のせいか時代のせいか「お受験」という意識も全くなく
友達から私立に行くことを知らされても
他の学校に行っちゃうんだ、位の感覚しかありませんでした。
第一、偏差値って何かも知らなかったし
偏差値70って言われて平均点70点って低くないか、
なんて無邪気に思っていました。

自分に子供が出来たらって考えると「お受験」させるかどうか
よく分かりません。
一概に私立の学校を否定するつもりもありません。
自分がいた区立の小中学校は比較的平和で楽しい思い出ばかりですが
様々な報道を見る限り、公立校に不安がないといえば嘘になります。
いくら自分がしっかりしていても、周りに左右されることが
無数にあることは実体験からしてあきらかです。
自分はそれに運よく引っ掛からず来ただけかもしれないし
それが現実の怖さだと思います。

でも「お受験」を本人がしたくないならばどうかと思います。
塾に行ったことがないので、その効果の程や
行ったときの気持ちが実感として分からないです。
少しケースが違いますが、子供の頃、近所の人が行っている
ボーイスカウトに入会させられたことがありました。
本心をいえば行きたくなかったし、でもあまり拒むのも
期待をそぐようで嫌でした。
母も外向的にしようと良かれと思ってしたことなのですが
結局2年やって辞めてしまいました。
別に今は後悔はしていませんが、こういう気持ちを知っているだけ
無理強いするのはどうかと思います。

また自分の子供が落ちて、友だちの子供が受かったらという話は
自分が受験に失敗するより辛いかもしれません。
これを気にしない器のでかい人間になりたいものです。
それを避けるために別の学校を受けるというのも
それはそれで本末転倒のような気もします。
第一、子供のことをないがしろにしています。

もう一つ「ママ友」というテーマがあって
このお話の中では卒園を境にバラバラになってしまいます。
よく女の友情は脆い、みたいな話を聞きますが
別に女性に限らず男性だって脆いもんです。
中学高校と同級生だった友人に尋ねごとがあって電話したら
なんかひどく警戒されたような話し方をされて
ショックだったことがありました。

でも人生の時々で出会いと別れは繰り返していくものだし
しょうがないのかもしれません。
思えば母も家に呼んで話す友達は何年かのサイクルを経て
いつも変わっていました。
それを見ると何かはかないなぁなんて思っていましたが
自分も同じようなものです。
子供時代には携帯なんてなかったけど無くてよかったと思います。
メールして返信が返ってこなかったから絶交、なんて
記事で読んだら苦笑してしまいますけど
実際自分が当事者だったら笑えないでしょう。

こうやって生活していると本当に小説の中のような
「お受験」にまつわる様々なことが現実に起こっている気は
全くしないんですけど、あるところにはあるんでしょうね。

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