ピアニスラー

ゴールド・フィンガー、ハイパー・ピアニスト矢沢朋子のブログ

ラファエル・アマルゴ

2005年12月07日 | 文化・芸術
ラファエル・アマルゴ・カンパニーのコンテンポラリー・フラメンコ、「エンランブラオ」を観てきましたー♪ (12月5日 Bunkamura オーチャードホール)

今回の演目はスペインのバルセロナ、ランブラス通りから着想を得た作品。映像も使ったこの作品は、スペイン国内で15万人を動員したというもの。待望の日本初演です

こういったダンスの1演目で15万人の観客を動員するというのは、ものすごいこと。ブロードウェイのミュージカルとは一線を画すダンス作品なんだから。これはもう「快挙」を超えて「奇跡」に近いと言えると思う。

伝統的なフラメンコには実はほとんど興味がないヤザワ。それでもこのラファエル・アマルゴには胸騒ぎがして、お出かけしました。

素晴らしかったです。

しばらく家に引き蘢って練習とレコーディングに明け暮れていましたが、ヤザワのカンは健在でした。

フラメンコのフリフリしたカラフルな田舎クサい衣裳、歌舞伎のようにミエを切るような大袈裟なポーズなどが、モサくてダサく感じていたヤザワ。それにタップ・ダンスも「うるさ~・・」って感じで好きじゃなかったの。それなのに観に行こうと。

素敵でした。

衣裳もフリフリしてなくて、本当にシンプルでセクシー。スペインの文化って、闘牛もそうだけど、男が着飾って「どうだ!どうだ!」みたいな暑苦しいイメージがあったんだけど「それもイイかも」と思うほど、カッコ良かったっす

ニューヨークのマーサ・グラハム・スクールに留学していたラファエル・アマルゴは、フラメンコにコンテンポラリー・ダンスを取り入れたセクシーでスタイリッシュなスタイルを確立しているダンサー。ショーの構成は古典的で庶民的なフラメンコのスタイルなんだけど、その中身は、かつてのモーリス・ベジャール・バレエ団のスター、故ジョルジュ・ドンを彷彿とさせるようなカリスマ性に溢れたソロだったり、一糸乱れぬ整然とした迫力の群舞だったりするの。

いくつかの場面に分かれている構成なので、ストリートを表す見事なヒップホップ・ダンスが入ったり。「あー、バルセロナの路上でもヒップホップ踊ってるコがいるんだー」とランブラス通りを思い浮かべたり。

15万人も動員するとなると、伝統芸能オンリーという訳にはいかないし、スノビッシュにインテリだけが分かるような構成でも無理。どこかで大衆化させないと、いわゆる「メジャー」にはなれないわけだ。

そこがアーティストとしては悩んだりするところなんだろうけど、このラファエルはその「大衆化」を軽々とやってのけてくれました。しかも「芸術」というクオリティはそのままで。

どういうことかって言うとね、要するにラファエルの次の公演ではヤザワも通路側のS席を絶対ゲットして、通路に降りて来てシャツの前を全開で通路でも踊ってくれているラファエルの汗を浴びてみたり、握手してもらおうとして伸ばした手の甲にキスしてもらったりするんだ

とか決心したわけよ

もう写真よりずーっとずーっとカッコいいの 

胸毛とかカンベンなヤザワだったんだけど、このラファエルみたくカットしてあるのは陰影ぽくてイイかも。シャープな腹筋に合うのよね。モジャモジャしてるとまた違うんだろうけど。

スペイン旅行の場末で観るようなフラメンコ・ダンサーのようなサービスをしてくれてるの 構成もまさにあんな感じで最初は全員、1人づつ、伴奏楽器のソロ、最後はまた全員、客席に降りて客と盛り上がる、みたいな。

写真だとコユいホストみたいなんだけど、実物は王子様系。

もーまるでクジャクのオスとか、そんな感じ。実は女より男の方が派手で美しいんではないかという気にもなってくるし。

眼福でした ブラーヴォ
Comments (2)
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