譜めくりをしやすいように手作業で切り貼り編集した楽譜。現代音楽を弾くピアニストなら全員・やってた作業。
キリのいい所まで繋げて、パパッとめくる。ブランクのあるページは次が一気に弾ききる長いフレーズなので見開きにしたりと様々な思案と工夫の詰まった楽譜をみんな作ったもの。
なるたけ譜めくりをしないようにするために、編集した手作り楽譜がA3ほどの大きさになってしまって、上の方が高くて見えないので作り直したりと、様々な工夫を凝らしたものでした。今でも作ってる人もいると思う。
最近はiPadに読み込んでAir Turnで自分で譜めくりできるようになったこともあり、作らなくなって久しいです。それでも昔のThe・前衛の図形譜のものとか、手書きでB4とかA3のものはタブレットでは見にくいので楽譜。最近はもうほとんどの作曲家はフィナーレでA4に清書してくれるので、現代音楽に関してはタブレットでノー・プロブレム
iPadのおかげで譜読み間違いが格段に減ったのと(拡大できるから)、楽譜の明るさが調整出来るので、ホールの照明が暗くても眩しくても見えづらいということもないし、空調の風でコピー譜が飛ぶという心配もなくなった。譜めくりも自分でAir Turnを踏むのが心配なら、譜めくりの人に手で押してもらえば、めくり損ねることもないしタイミングを合わせるためのリハーサルも当日だけでいいし。
と書くと、テクノロジー万歳 良いことずくめ
のようではあるけど、やはりそれに伴うことも色々と
まず・圧倒的にドライ・アイになりました
コンピュータを使う時間が多い作曲家、エレクトロニクス系音楽家はかなりの確率で緑内障とその予備軍にはなると思う。
ヤザワもとても心配ですやはり便利さに抗えなくてKindleも愛用してるし。
Kindleのおかげで、ずいぶん漢字が読めるようになりました。目が開いていても読めないんじゃ文盲だし
目を疲れさせたくない友人はオーディオ・ブックにしてる人もいるけど、音楽家は耳も休めないといけないのでね。デジタル音声を長時間(読書なら)聞くというのも耳に良くない。それでテレビを見ないということもある。
ということで、楽譜も目に優しく見やすいように工夫をします。
平石博一さんの手書き時代の楽譜をPDF化しました。ミニマル曲。ほんと・コンピュータでコピペで作れるようになって良かったとは思う。同じことを4回とか8回とか16回とか書くと思うと腱鞘炎になりそう。
これは手書きのコピー譜なので、読み込む時にPDFで読み込んでしまうと薄くて見づらかった
そこでまず・JPEGで読み込んで、画像編集でコントラストをつけたり色彩を調整。見やすくなったらPDFに書き出す。
という2手間をかけることで、かなり目の負担が減った
譜めくりの人を【探す、頼む、リハーサルをする、謝金を払う】代わりにAir Turnで練習する。
これも使い始めは坐骨神経痛になったけど、今はソレ用の筋肉が付いたようでストレッチすれば大丈夫に。
「薄くて見づらい」というのはヤザワ本体の経年劣化とも思うんだが、それを補う進歩もしてるわけだ。
「暗譜」はもうとっくの昔に手を引いてますしね
最近、友人のピアニストが、ラフマニノフの3番のコンチェルトの暗譜ガーとか騒いでたので「あんまり無理すると寿命縮むよ」と脅したら、本番で楽譜見て弾きました。イエイ
「覚えるため」の無駄な練習時間はドブに捨てて、新しい曲とか他の曲を練習した方が良いという境地にだいぶ前にヤザワは達してます。
それに暗譜するとどうしても演奏がステレオ的な感じになるというか。メロディのようにして覚えるからポリフォニーでもレイヤー的な曲でも単調になりがち。モーツァルトとかショパンまでのロマン派までならいいとは思う。ドビュッシーですら楽譜を見た方が立体的な演奏になるし。
そういうヤザワも20代はほぼ暗譜してました。ヒマだったんですよ もう自己満足。
別に観客は記憶力を確認しにコンサートに来るわけじゃないし、そもそもなんでピアニスト(とヴァイオリニストもか)だけが暗譜しなきゃならないのさ問題は根深い問題。
単旋律楽器が楽譜見て弾いてたり吹いてたりするのによ
とピアニストは皆、影ではそう言ってるのに「暗譜をやめたらピアニストとして終わり」みたいな悲壮な勢いで覚えようとする。もう一生・受験勉強みたいなノリ。
そんな同じことばっか繰り返してるとボケるよさっさと楽譜はpdfにして終活してAir Turnを練習するのだ あまりの体の動かなさ加減に驚くこと請け合い すぐに始めなされ。そうしないと寝たきりになるゾ
なんて思うのでした
眼はインドのアーユルヴェーダ目薬、玉ねぎとレモン汁が材料の【ドリシティ】でケアしてます。
ものすごく染みるアガタの緑内障が治った目薬です