ピアニスラー

ゴールド・フィンガー、ハイパー・ピアニスト矢沢朋子のブログ

秋庭歌一具

2006年07月22日 | 現代音楽
明治神宮で開催されている『杜の中の伝統文化祭』へ雅楽を聴きに行く。(主催:日本藝術財団:http://www.jpartsfdn.org)

ブライアン・イーノとのカップリングCD「陰陽師」も出している雅楽団、伶楽舎による武満徹作曲の50分の雅楽組曲『秋庭歌一具』の演奏。

月曜日からずーっと涼しくて雨がちだったので、野外特設会場で聴けるのかちょっと心配だったけど、なんとか雨は降らず、芝生の上で雅楽を聞くという体験ができました

日本藝術財団のHPにも書いてあるように:『秋庭歌一具』という曲は、従来の雅楽の楽器の配置ではなく、武満さんの工夫を凝らした楽器配置のアイデアから生まれるサウンドが「元祖:サラウンド」効果をもたらす、という仕掛けのあるもの。

楽しみに、虫除けスプレー持参でGo!

特設会場の入り口でも、腕とか足に虫除けスプレーをふりかけてくれるサービス。ビニールシートも受け取って、かき氷も買って、芝生の上へ。それにしても6時半だというのに明るいねー・・こんなに涼しくてもやっぱまだ夏なんだー・・と連れのタカちゃんとさらに入念に虫除けスプレーを塗りつつ開演を待つ。

開演前に、伶楽舎の音楽監督の芝さんが、簡単に雅楽の歴史を説明してくれる。唐の国(中国)から伝わった音楽が、日本独自の雅楽となってからの歴史というのは1250年とからしい。(だったよね?タカちゃん?)

楽団員の演奏家が5カ所に設置されたステージに雅楽の装束を着て、アタマにも黒い高いヤツ(←)を乗っけて、勢揃い。

ゴージャス 涼しくてよかった。それでも照明が入れば、ステージはさぞかし暑いことでしょう。

天候のせいなのか、近くを走る高速のせいなのか、虫の鳴き声なんかはほとんど聞こえません。飛行機も飛んでるし。ここ(明治神宮)が大都会のオアシスなんだということを感じさせる都庁のネオン、車の音を遠くに聞きながらの雅楽鑑賞の始まりです


それぞれの楽器のナマの音が聞こえてきて、「なんとなく」曲は始まりました。このへんの出だしは他のアジア音楽にも共通する始まり。


それにしても3曲目になっても音量がいっこうに上がってこなくて、ボリュームが手元にあったら右に回したいんだけど。なんだか薄い紙に小さい文字がいっぱい印刷されている本を読むような感じがするんだけど。

うーん。「自然と一体となって、耳を澄ます」というコンセプトにしても、ちょっとボリュームが低くて聞きづらい感じ。これは、リハーサル後に森の湿度が上がって音が伸びないのか、もともとPA(マイクで音を増幅すること)を極力かけないでナマ音を聞かせるということにこだわっているのか・・・

あまりにPAをしすぎると、電子音みたくなってしまって何の楽器だか分からなくなってしまうということはあるんだけど、野音なんだからさー・・

と思ったヤザワの耳は、すでに都会の雑音にまみれてるのかも。4曲目で隣のタカちゃんは寝てるし。飛行機はサラウンド効果抜群だし。(←迷惑)

集中して耳を澄ましているうちに考えついたことも。

それは:いろんな所からいろんな音が聞こえて、自分がその真ん中にいたら楽しい、というような発想から音楽を作ったんじゃないかなーって。そしてタイミングをずらして、いろんな所からの音が回っているようにならないかなー・・という、すごくアナログな感覚だったんじゃないかと。もちろん武満さんは映画のお仕事なんかも沢山してらしたから、音楽のスタジオ・ワークというものにも詳しかったとは思うんだけど。

ただ音楽でも科学でも、基礎を積み重ねるのは大事なんだけど、積み重ねた基礎の延長にその分野の未来があるとは限らない、というようなことなんではないかと。

どの分野でも専門の人に何か新しいアイデアがあって:「こんなことは可能ですか?」と聞くと、「そんなことは出来ないですねー。してる人もいないですねー。面白いこと考えますねー」という返事が返ってくることがほとんどだと思う。「それは面白そうですね!」とノってくれた人とのコラボレーションによって、新しい歴史が作られるんで。

『秋庭歌一具』も、雅楽を聴いた武満さんが:「まさに音がたちのぼるという印象を受けた」と著書で書かれたように、その体験がこの曲の楽器配置のアイデアとなったんだろうし。1000年以上の歴史を持つ雅楽の演奏家がそんなアイデアを取り入れた、というのも本当に革新的。それで弾みがついてイーノとのコンピレーション・アルバムも作ったんだろうか。「陰陽師」はヤザワも持ってるし、気に入ってるから人にもプレゼントしたし。ほんとにオシャレ。

とかまー、いろんな新しい試みはさまざまな経験を経て、未来の財産となる。とか思いつつ芝生の上にいたわけだ。

来年はもうすこ~し、PA多めにかけてください 聞きに行きます


終演後は「肉が食べたい」というタカちゃんと新大久保のコリアン・タウンへ。

ここまで来ると、ぶあつ~い牛タンとか、おいし~いカルビとかハラミがあるの

米国産牛肉の輸入規制で、なかなか牛タンを置いてるお店も少ない中、久々に「美味しいお肉、いっぱい食べた」感が。満腹はシアワセの源。

あまりにお腹が減っていて、写真を撮るのも忘れて食べてしまいました!土曜日の新大久保は、ニホンゴが聞こえてこないほど賑わってました。コスモポリタン・トーキョー、えーあ!
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1 Comments

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お初でーす (たか)
2006-07-27 00:21:39
今、この日の帰りに韓国スーパーで買ったラーメン食べながら書いてます。激辛!!!!!!!(;o;)



ちょっと寝てシマッタの、ばれてましたかー!笑

つい、ここちよくて。。

よとくん、ごめんね~~汗



焼肉、久しぶりでした♪美味でした♪~

お隣りのワールドカップも気になります



あれ、食べ物の感想ばっかり?
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