宇ち中
宇ち多゛中毒のページ




2010/08/10
(続き)
温泉をハシゴして、海岸沿いをてくてく歩いて海水浴場のほうへ戻ります。目指すお店は、太田和彦さんが日本三大名酒場に挙げられた長久。



口開け16時の10分前に到着し、お店の様子を遠巻きに見守りますが動きがありません。16時を10分近く経過した頃に痺れを切らしてお店を覗くと、開店準備をする店主がカウンターの中から「どうぞ」と。暖簾はもう少しで出すところだったようですね。温泉に入って喉はカラカラ、生ビールの大を頼んじゃいました。



んー、旨い。緊張気味のココロもほぐれてきて、お店の様子を眺めつつメニューを眺めます。呉でお世話になったはまださんから「ウツボは是非!」とお勧めいただいていたので、これはお願いしなければと最初に注文しました。



「身のほうからしっかりめに焼いて、あとから皮のほうを焼いて下さい。お餅のようにぷくーっとふくれてきますから」と店主さん。焼かれるウツボを見ながら、立派なカウンターに目をやります。



反転して皮のほうを焼いて、しばらくして出来上がり。砂糖醤油でいただくというのも面白いですが、これがなかなか。確かに、カリッとした周りの感じにほんのり粘りけのある食感はお餅のようです。旨い。これは日本酒ということで、燗酒をもらうことに。



長久の燗酒。長久はこのあたりの地元に根ざした酒蔵なんですね。来る途中の紀勢本線の車窓から、何度か看板を見ました。ウツボもなくなってきて、そろそろ次のアテを。亀の手も気になるし、オススメの爪バイも気になります。半分ずつってできますか?と尋ねると快く「できますよ」と店主さん。嬉しいですねえ。



アルバイトと思しき若い女子の店員さんが、爪バイの身の取り方を教えてくれました。身は小さいながらも味がぎゅっと締まっている感じで旨いです。亀の手もグロテスクなルックスながら、ちゅるっと吸い込むように食べると海の香りが口いっぱいに広がります。まさに日本酒が合います。しばらく亀の手と爪バイと格闘し、ひと息付いた頃に秋刀魚の寿司をお願いしました。



立派な秋刀魚のお寿司です。ひとりには多いかなと思いきや、これがぺろりといけちゃいました。水分多めの軟らかめの酢飯が特徴的です。日本酒も3本目をおかわりします。



秋刀魚の寿司も燗酒に合います。透明な正1合の徳利。素敵だなあと思いながら、ほろ酔い加減でぼんやりとカウンターに佇みます。



地元の男性2人連れの方や、海水浴で訪れた家族連れのお客さんがいらっしゃいますが、平日の早い時間なのでカウンターは空いていました。それでも、このあとに座敷へ団体さんの予約が入っていたようです。居心地良く、結局2時間以上も長っ尻しちゃいました。



18時過ぎの外はまだまだ明るいですね。バス停へ向かうと、バスが車で少し時間がありました。浜辺へ出て夕日が沈んでいくのを眺めます。



念願のお店に来ることができて、感激に浸りながら夕日を眺めます。バスが来たのが19時頃。つくづく、改装前の長久に来ておきたかったなあと思いながら、渋滞する海岸沿いの道をバスに揺られたのでした。
(おわり)

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