解禁した二段モーションの明と暗

2018年07月11日 | 井戸端会議
昨シーズンあたりからルール変更が相次いでいる。
野球規則をこうも簡単に変えていいものかと思う。ルールを変えることを野球ファンはどう思ってるのだろうか。
また、ルールが変わることで翻弄される選手はどう受け止めるのだろうか。

そんな中、2段モーションもそのひとつ。
「2段モーションとは」
ピッチャーが投球する際に、上げた足を2回上下させる事だったり、途中でフォームを静止させる事。
投球フォームは静止する事なく、一定のリズムで投球しなくてはいけない。わずかでも静止してはいけない訳だが、この"わずかでも”と言う部分の判断は審判に委ねられている。

「2段モーションが禁止されてた理由」
投球動作を静止させてしまうとボークになるというルールがある。
投球動作に入ってから途中で動作を止めてしまうと「途中で静止した」となり、2段モーションによる「反則行為」となってしまう。
途中で静止したりすると、打者のタイミングを簡単に外す事が出来る。。
2005年にNPBでは、野球の国際化を目指すと言う方針から2段モーションの規制が強化された。
この際に、上半身を含めた投球動作は静止していないにもかかわらず、足を上下しているだけで反則行為とみなされるなど、日本のルールは厳しすぎると言う声も挙がっていました。
今年1月、プロ・アマ合同の日本野球規則委員会が開かれ、公認野球規則からいわゆる「2段モーション」を反則投球とする項目が削除され、これまで禁止されていた「2段モーション」が唐突に解禁の方向になった。
理由は、また「国際化」ということらしい。目指していた「国際化」が「国際化」でも何でもなかったことに気づくまで12年間も「2段モーション禁止ルール」が放置されたままだったのだ。この罪は重い。NPBの対応があまりに遅すぎた。
 
今年解禁された2段モーションを駆使し大ブレイクしている選手がいる。
今年入団5年目、カープの大瀬良。彼は昨シーズン後半からゆったりと足を上げ静止するかしないかギリギリの投球フォームで勝ち星を重ねルーキーイヤー以来の10勝をマークした。今年はそのフォームをさらに進化させて2段モーションに挑戦している。
大きく振りかぶり、左足をいったんベルト付近に上げて一度脱力、再び足を引き上げて打者に投げる。1度目の足上げの間は、両腕を高い位置でキープし顔の前でグラブと右手を合わせ、2度目でほどいて投げる。これがハマっている。
去年より球速が極端に上がったり、変化球がものすごく切れている訳ではない。2段モーションのゆったりしたフォームにはどこか自信と余裕が感じられる。ランナーを背負えば2段モーションではなくなるが体重移動がスムーズになっているのか、今年の大瀬良はピンチになっても動じないしコントロールも良い。
4月は3勝2敗。5月は無傷の4勝。6月、交流戦でソフトバンクに敗れるまで7連勝し、その後のセ・リーグ復帰戦で両リーグを通じて一番乗りの10勝目を挙げた。
2段モーションを取り入れてから覚醒したような大活躍である。このまま行けば20勝も夢ではない。

真逆な投手がドラゴンズの又吉。
昨シーズンは先発に中継ぎに大活躍した。
昨シーズン途中から森繁監督に「先発では左打者に通用しない」とリリーフ再転向を命じられた。
しかし今年、春のキャンプ前から先発転向を森繁監督は示唆してた。
しかしまたまた、キャンプ途中からチーム事情により中継ぎ(セットアッパー)に回るも、明快な配置転換を監督が示さず、難しい調整となった様だ。
逆風はそれだけでなかった。
昨シーズン以上の成績を上げる為に取り組んだ変更事項がことごとく結果が出ていない。
キャンプ前プレートの踏み位置を従来の一塁側でなく、三塁側に変更して投げ込み、球の角度を出すことに取り組んだ。さらに、解禁となった2段モーションからの“ため”の取り方を模索した。
入団当初から2段モーションが怪しいと取り出さされてた。
昨シーズンは先発に転向し、指摘はされなかったものの、この“ため”が打者を翻弄する形となった。
元々、球に力がありキレも良い。
変化球の球種は、スライダー、シュート、シンカー、チェンジアップ。サイドスローからのスライダーは最大の武器。シンカーも一級品。
元々ランナーがいない時もノーワインドアップ。解禁となりより以上に“ため”を作ることを意識しずき体の軸が安定しなく、体がぶれてる様に見える。“ため”を作れば作る程安定しないから投げ出すボールに力が伝わらない。2段モーションの“ため”が逆効果になってる。
プレートの踏み出す位置も今での一塁側から三塁側に移動したことにより、最大の武器であったスライダーとシンカーが微妙にストライクゾーンから外れカウントを悪くし、結果置きに行った力のないストレートを痛打されている。
しかし、先日7/8に書かせてもらった「“又吉“復調の兆しが見た!」が、このゲーム後からより以上に良くなってきたと私なりに勝手に思ってます。
事実、翌日は1失点したものの、後続の主軸をきっちり抑えてる。

ここ2試合もホールドを上げる安定した投球が出来ている。
今日で前半戦が終了。
後半戦、又吉の逆襲が始まる!