先日、近くの書店に立寄っていつもの通り文庫本の新刊コーナーをながめ、新書の書棚を経てパソコン関係の月刊誌コーナーへ行き、そして珍しくNHKテキストのコーナーへ向かった。何か目当てがあったわけではない。すると、そこになんとも懐かしくも苦い思い出のあるドストエフスキーの「罪と罰」という大きな見出しのNHKテレビ用のテキストが目にはいった。12月のテレビ放送の中で用いるテキストらしい。一度手にとってパラパラ。通り過ぎてからまた戻ってパラパラ・・・思い切って買った。定価550円。名古屋外国語大学学長の亀山郁夫氏による解説本。あわよくばこれを読んで私の中で完読とすることが出来るのかもしれない・・・・・。どこかでそう感じていたのかもしれない。
随分と昔の昔、20歳ころであったか。詩誌「ミラ」という秋田市の同人詩誌の同人となった頃、主宰者的なSという方がよくこのドストエフスキーを口にし、罪と罰について語っていた。何のことかさパリわからない無知な私には面白くもなんとも無い世界で退屈な時間であった。後年、何かのきっかけでこの罪と罰を読み出したのだが、どうやっても前に進まないのである。結局そのままあるページで未読のまま終わっている。
だから、と言うわけでもないが、こうしたきっかけで入り込んで行くことが出来るのならそれもいい。書かれた時代背景やドストエフスキーの人間像についても触れられているようだから興味深い。これも未読に終わる可能性十分にあるが、とにかくきっかけづくりか、自分への・・・・。