専門誌「花美術館」Vol.76と77に若狭麻都佳さんの詩作品が紹介されている。
Vol.66には、2006年刊行の詩集『女神の痣』(思潮社)から「冥い光」「おさんぽの・・・」、67には夢原罪 若狭麻都佳という表題・写真と共に
「青い血しぶき 日だまりを蹴散らせ!」(この詩はアメリカのハーバード大学の図書館に置かれているという)が掲載されている。
若狭さんの詩は、情感を文字列や字体の変化などで表現するのが特徴のひとつだろうか。言葉と文字を一つの絵のように表出するような・・・。
コンクリートポエトリーの故・新国誠一が「眺めるように」観てもいいというようなことを言っていたのを何かで読んだ記憶があるが、そうとも言える近い感覚。
かといって若狭さんの詩はコンクリートポエムのように視覚に訴える形象を描こうとしているわけではない。
(ん?舌足らず・・視覚に訴える形象と言うのは、例えば高橋?●●・・・誰であったか亡失したが、「墓」という漢字で、日本の一般的な墓の形を描く表現だったが、そうした詩?・・・具象詩と言うらしいが)⇒ 後日思い出した。岩手県北上市出身の高橋昭八郎だったような気がする。ビジュアル詩、視覚詩として世界的に著名な詩人であった・・・。
文字列が飛んだり回転したり崩れたり色がついたり・・しながら(させながら)、文字がひとつの感情ある記号として作者の情感を表出している。
この度の紹介ページ全体が赤いのを見て、ポエマーでありアーティストである彼女にふさわしいデザインだと思った。
(以下、「青い血しぶき 日だまりを蹴散らせ!」最終連を抜粋・・・なお、当ブログの機能によりルビなど出来ない箇所があるのをお断りしておく)
角が煙る時
純潔の羽ばたく大気
を
一緒に
駈け上がろう
失くしてしまった
とまどい
を
儚い詩(ことば)
で
黄泉がえらせて
きみ も も
ぼく
嘘
や
ま や か
し や
ささやかな野心 に
トキメイテ
とてつも ない
”片割れもの”
に
なって
ゆく
と
しても・・・・・∞
本来的には詩作品の内容について言及すべきだが、今回はレトリックについて触れてみた。