先日、所用あって新潟方面へ出向いた折、小千谷市の市立図書館内にある「西脇順三郎記念室」を訪れてみた。こじんまりとした歴史ある街並みの片隅に、市立図書館はあった。館内に入ると、3階に記念室があることと、展示物保護のため消灯しているので閲覧希望者は申し出てほしい旨の表示があった。
記念室は西脇の絵画展示室と文庫室に分かれていた。残念ながら文庫室ではどうやら西脇に関する団体かもしくは文芸関係の役員会らしき会議が開催されていた。会議中であってもどうぞ閲覧してくださいとは言われたが、雰囲気がそうではなかったので早々と退出した。本音では残念であったが、これは致し方ないこと。と、仕方なく自身を納得させた。
それでも、自筆原稿や見慣れた西脇老年期の顔写真などをデジカメで収めてきたのが”収穫”か。文庫室の書棚に、私が持っている本と同じものを見つけてニンマリ。ただそれだけなのに・・。「旅人かへらず」「アンバルワリア」の初版本を見つけて、ちょっと思い返し、自身の青春時代に帰ってしまった気がする。高校生の頃に出会った詩集が目の前にあること、それだけで何かミーハー?のように心ときめいた。
またいつかは訪れてみたい。またいつかは読み返してみたい。西脇順三郎の詩。十代に出会い驚き惚れた詩人の一人である。