「つながる」ということ
「ん? えー,そういうことなんだ!」
高学年の担任をすることが多かった20代。初めて受けもった1年生の体育の授業で,それは起こりました。
「さあ,今から準備運動を始めるよ。まーるくなって。」
幼稚園から小学校へ上がってきたばかりのかわいい子どもたちは,私の言葉を聞き,何の疑いもなく全員が
一斉にダンゴムシのように頭を抱えて小さく小さくかがんで丸くなったのでした。手をつなぐ。言葉をつなぐ。
そうして人はつながっていきます。「つながる」のは,相手があってのこと。相手の受け止め方や気持ちを
よく考えることが大切でした。
私は高校生まで徳島で過ごしました。当時は,将来,宮城に就職して結婚するとは予想もしませんでしたので,
この縁をとても不思議に思います。母も仙台に住むことになるとは思ってもみなかったことでしょう。離島で教師
をしたいという願いと,大学時代の親友が涌谷出身であることがこのつながりを生み,人の輪を広げてくれました。
この縁にとても感謝をしています。
地域によって多少の違いはありますが,今,小学校では,いろいろな課題に取り組んでいます。学力や体力の向
上,豊かな心の育成などは大きな課題です。さらに情報教育,志教育も不可欠ですし,食育は子どもたちの心と体
を育てる上で重要な一翼を担っています。これらの教育を推し進めていくためには,学校と家庭,地域が信頼関係で
つながり,そのトライアングルの中で子どもたちを温かく包み込んで育てていくことがとても大切だと考えています。
野菜にかかわるということは,実は人とかかわるということ。かかわることで人とつながり,そのつながりの中で少
しでも自分が貢献できることがあれば,それが大きな幸せにつながるのではないでしょうか。
人は生きているようで,実は人に生かされているのではないかと思うのです。
ジュニア野菜ソムリエ 松浦 和浩
~~~野菜ソムリエの輪、次にバトンを渡すのは、菊田朋子さんです。~~~