切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

九代目正蔵と志ん朝

2005-03-22 12:30:00 | 新釈落語噺
おまささんの紹介で知った雑誌「東京人」四月号の九代目正蔵襲名特集の記事、読みました。これは、九代目正蔵ファンというより、すべての古今亭志ん朝ファン、すべての落語ファンが読まなくてはいけない記事ですよ、ホントに。

こぶ平と志ん朝が旅をしたときの話が載っているのですが、こぶ平と志ん朝が風呂でしたという「文七元結」のどこが難しいかという話なんか、良いですよ。今、いてほしかった人はつくづく志ん朝師匠だったなあと思います。(長嶋茂雄なんかじゃないな、まったく。)

今朝も芸を知らない"芸能”リポーターが新正蔵にくだらない質問をしているのを見ましたが、新正蔵は爆笑王なんか目指さずに、地道に噺家としての腕を磨いてほしいですね。

しかし、"芸能”リポーターってもうちょっと芸能全般、文化全般を勉強してほしいよな、まったく!!


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3 コメント

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某ニュースショウでも (おまさ)
2005-03-22 16:42:04
こんにちは。

あの「文七元結」の話、ほんといい話でしたね。

先日発売になった「笑芸人」の高田編集長との対談でも、これまたいい話がいろいろと・・・。やっぱり、こぶ平さん=新・正蔵さんのお人柄なんでしょうね、いろんな人がいいことを言ってくれるっていうのは。それと、ご本人のやる気が周りに伝わったというのもあるのでしょう。



今朝の某ニュースショウでは“演目のトリは 「子はかすがい」”というスーパーが出て、目がテンになりました。ぜんぜん、トリという言葉の意味がわかっていないんですね。だったら普通に「演目は」と書けばいいのに・・・。

それに、落語の披露目の口上では、当人はしゃべらないのが普通だと思うのですが、それがあたかも珍しいことであるかのようなナレーション。歌舞伎の口上では、最後に本人が挨拶をするので、それと同じ基準で捉えているんでしょうね。



リポーターもヒドいものですが、ディレクターやプロデューサーも、知らなさすぎです。その上、きちんと確かめる、誰かに教えを請う、という姿勢がないんですよね。

中村屋の襲名前後の一連のワイドショーなどでも、結構、とんちんかんなリポーターがいて、びっくりしましたが・・・。
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私の落語は (不老愚 助光)
2005-03-22 20:55:55
東京在住のころ、営業の仕事をしてまして、昔の会社は余裕と言うかいい加減と言うか営業マンがサボって寄席に行っても文句を言われませんでした。むしろ寄席に行って話し方の勉強をして来い等と上司に言われたものでした。だから殆ど毎日の様に寄席へ行ってました。上野、人形町、新宿とあの雰囲気が忘れられません。

当時は志ん生、文楽、歌楽、今輔、円歌(先代)と言った名人達が元気でワクワクしながら聞きました。

 やっぱり志ん生でしたね。あの顔、仕草、独特の間、堪りませんでした。

高座に上がってもしばらくは何も言わずジッとしてるだけげ客席から笑いが起きる、志ん生が「あの~未だ何もいってませんが・・」

と言うと又客がドッと来る。それを味わいたくて行ったのです。

これは今のCDではとても味わえないものです。その次に良かったのが金原亭馬生。志ん生の味を継いで後継者最有力と言われたのに若くて亡くなってしまいました。

その当時の林家三平なんぞは「チャンと落語をやれ!」って野次られてました。

私の落語観賞はその名人達が亡くなると共に終わりました。

余りにもその人達の印象が強すぎましたので。
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コメントありがとうございます。 (切られお富 )
2005-03-23 10:30:43
おまささん。



まったく深く同意です。

政治記者の質問もひどくなったと言われますが、芸能マスコミもまたひどいですね。



朝は時計代わりにテレビを点けているので、あまり真面目には見ていませんでしたが、寄席はおろか落語を聞いたことがあるのか疑わしいようなやり取りしてるなという印象でした。ただ、父親の三平という人の芸風が誤解を生む原因になっているのかもしれないけれど…。



不老愚助光さん



まったく羨ましい限りですね。

私も個人的に好きなのは、十代目金原亭馬生と三代目三木助です。ジャズ同様、落語も一度終わってしまったジャンルのような気がするときもありますが、でも現在に生きている私としては、今いる名人や名人候補を応援するしかないとは思っています。歌舞伎に海老蔵が現れたように。



私が運よく出会えた名人はなんと言っても志ん朝師匠でした。出囃子の老松とともに高座に上がる姿の気品と雰囲気は今でも忘れられません。
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