切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

本日、林家たい平独演会<14年目のたい平「芝浜」の会>に行ってきました!

2010-12-06 23:44:17 | 新釈落語噺
新宿紀伊國屋サザンシアターで、林家たい平の<14年目のたい平「芝浜」の会>を聴いてきました。たい平の落語を生で聞くのはほんと久しぶり。彼が真打に昇進する前、二つ目の頃は何度も聴きに行ったのにね!ちなみに、今日は彼の誕生日だったそうで、今話題のひとと同じ誕生日だなあ~なんて話も…。というわけで、簡単に感想!

いまや「笑点」の出演者で全国区の落語家!

でも、わたしが熱心に聴いていた十年以上前は、新宿末広亭の深夜寄席で客引きなんかもやっていたんですよね。でも、そのときから二つ目の中でも断トツに巧かった!

いまでも思い出になっているのは、末広亭の余一会でやった「芝浜」の現代版の創作落語!のちにCDにもなりましたが、なんといってもわたしの聴いた日の出来が最高だった!

というわけで、いよいよ今日の感想ですが、まず驚いたのが、その人気!

客層が子供から年配の方までという幅の広さで、昔の深夜寄席のガラガラの客席からは隔世の感がありました。

で、噺の方も、そういう意味での<変貌>は、若干感じたかな~。

最初の「お化け長屋」は楽しくて、たぶん「芝浜」以上にたい平らしい高座。でも、以前に比べると大衆的というか、マイナーな部分、マニアックな部分は減ったかな。ただ、だからこそ、子供からご年配の方まで大いに笑っていましたけどね。

そして、お目当ての「芝浜」。

想像はしていたけど、予想以上にたい平の「芝浜」は談志の影響が色濃いですね。その意味は、おかみさんが主役の「芝浜」だっていうことですが、その饒舌ぶりがまだ強烈な説得力というところまではいっていないという気がしました。よい時の談志の「芝浜」はディテールの丁寧さと緩急の自在さが圧巻なんだけど、まだまだたい平のおかみさんはただ一生懸命すぎるような…。

むしろ、出だしの魚屋の亭主の無頼ぶりがちょっと独特で面白かったのと、海に行くまでの寒さの描写(ここも談志の影響大だとは思うけど)が傑作だと思いました。

それと、この噺って、間が欲しいですよね。おかみさんの告白が始まるところとか、最後の亭主のお酒を飲もうとするくだりなんか。

個人的な趣味でいうと、「芝浜」を得意にした三代目桂三木助の急逝で古今亭志ん生が代演したときの音源が、わたしのフェイバリット!魚屋が駄目になっていく描写とか、荒涼とした夫婦の会話なんかが、少ない言葉で庶民のどん底生活をもの語っていて、とても味わい深かったですね。

あとは、八代目三笑亭可楽のぞろっぺいな「芝浜」も好きです(特に最後の台詞の言い方なんか。)。

というわけで、批判的に書いたようですけど、これはたい平に対する期待度から書いた話で、ライブ体験としては充分楽しめました!

来年のこの会もたぶん行きますね~。

ということで、個人的には、林家たい平と再会した独演会という感じでした!ちなみに、来年も彼の高座のチケット抑えてあるんですけど!

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