NHK-BSで月に二回くらい放送されている、「昭和演劇大全集」。この番組って、歌舞伎劇評で知られる渡辺保さんが出演しているので、見始めたんだけど、久々にNHK-BSとしては、いい番組ですよね!さて、先日放送された三島由紀夫の「近代能楽集」は良かったなあ~。見方を新たにしましたよ!
「近代能楽集」は、三島由紀夫が能から題材をとった芝居を集めた作品集なんだけど、今読むと昭和三十年代(?)と思しき、当時の「現代的」設定がちょっと陳腐に思えるところがあって、世評は高いものの、個人的には必ずしも好きではなかった。
現実に舞台化されたものでは、「卒塔婆小町」と「弱法師」を観に行ったことがあったけど、まあまあ好きなのは、「卒塔婆小町」と「綾の鼓」くらいかな(月並みな感性だ!)。さて、今回のオンエアは、「道成寺」、「葵上」、「班女」。
じつは、三本ともなかなか感心してしまったんだけど、それは作品としてという部分もありつつ、いい役者が演じると魅せるもんだなっていう要素の方が強いですね。
「葵上」と「班女」は佐藤オリエが良かったんだけど、それ以上に何度も見てしまったのは「道成寺」の方。
仲谷昇と山下智子が出てたんだけど、タンスを鐘に見立てるという設定はともかく、狂女・花子の凛とした感覚が、美人女優の言い切りの台詞回しで活かされていて、やはり本で読んだだけではこの面白さはわからないなあなんて、妙に納得。ちょっと演じてみたいくらいの爽快感がありました。
最近の芝居って、プロジェクターを使った映像を使いすぎていて、役者の言葉の力を軽視しているんじゃないかって、舞台を観るたびに思うんだけど、映像だの効果音だのを排除したところで見せる芝居とか演出っていうのを観たいなあ~、歌舞伎以外で!
PS:因みに、この本って、三島にしては読みやすいから、お暇な方はどうぞ!それと、『文章読本』にはいっている「戯曲の文章」も芝居好きには結構参考になります!
「近代能楽集」は、三島由紀夫が能から題材をとった芝居を集めた作品集なんだけど、今読むと昭和三十年代(?)と思しき、当時の「現代的」設定がちょっと陳腐に思えるところがあって、世評は高いものの、個人的には必ずしも好きではなかった。
現実に舞台化されたものでは、「卒塔婆小町」と「弱法師」を観に行ったことがあったけど、まあまあ好きなのは、「卒塔婆小町」と「綾の鼓」くらいかな(月並みな感性だ!)。さて、今回のオンエアは、「道成寺」、「葵上」、「班女」。
じつは、三本ともなかなか感心してしまったんだけど、それは作品としてという部分もありつつ、いい役者が演じると魅せるもんだなっていう要素の方が強いですね。
「葵上」と「班女」は佐藤オリエが良かったんだけど、それ以上に何度も見てしまったのは「道成寺」の方。
仲谷昇と山下智子が出てたんだけど、タンスを鐘に見立てるという設定はともかく、狂女・花子の凛とした感覚が、美人女優の言い切りの台詞回しで活かされていて、やはり本で読んだだけではこの面白さはわからないなあなんて、妙に納得。ちょっと演じてみたいくらいの爽快感がありました。
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