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人間のいない国 全5巻 漫画 ネタバレ感想

2024年02月15日 21時20分00秒 | 漫画と本とアニメとドラマとCD
人間のいない国 全5巻
漫画、岩飛猫
記憶をなくした少女は、
周りにゴーレムしかいなかった。
という物語。

上質な漫画。
きちんとラストまで描き込まれた漫画。


少女「シイ」が目を覚ますと、
そこは人間が消え文明だけ残る世界だった。

記憶を無くして何もわからないながらも
三角頭のゴーレムから逃げなければと
必死で逃げるシイ。

そこで一つ目のゴーレムがシイを匿う仕草をし
三角頭から とりあえず逃れることができた。

一つ目のゴーレムの家に着いていくシイ。
そこには「ムイムイ」という飛ぶ箱のような
ゴーレムがいて喋ることができ、
一つ目のゴーレムは
「バルブ」だと教えてくれる。

バルブは声を出す機能がないが、
ムイムイはバルブが何を考えてるかわかる
機能もついている。
(考える=プログラムの精査的な感じ)

そして彼らのマスターは亡くなっていた。

しかし亡くなったということが理解できない
バルブたちはずっと世話をしていたのだ。

なのでシイが死んでいることを告げると、
バルブの第一優先が “自動廃棄システム” になり
自分を廃棄するために動こうとする。

それを知ったシイは
“人間の保護” を第一優先に戻すよう
自分は今も危険で
バルブがいないと死んでしまうことを訴え
なんとか事なきをえる。

街ではゴーレム達が
まるで普通に生活しているように見える。

彼らは “人間に奉仕する自立式人形” で
人間がいなくなっても
プログラムどおりに動き続けている。


とにかくシイが一生懸命で
バルブの中に心があると思いたい
自分をシイという一個人として認識して欲しい
という気持ちでいっぱいなのが
いじらしくて健気で子供らしくて哀れ。


もっと精巧な人にしか見えないタイプの
友達型ゴーレムに友達になってと言われて
友達になるシイ。
どうやら友達型のゴーレムは
“友達になる=マスターになる”
ということみたいです。


シイは自分の記憶にあるマークを探してたら、
自分が逃げてきたところに行きつく。


そして、そこで母親と名乗る人に会い
バルブと引き離され
その母親もゴーレムで
自分は “人の器” として作られた人間である
ことを知り衝撃を受ける。

バルブは母親に引き渡したことにより
シイの安全が確保されたとして
事故廃棄システムを稼働させる。

そのことに気づき必死に探すシイだが
バルブにあげたお守りの紐をみつけ
バルブが廃棄されたと思い絶望する。

絶望してシイは自暴自棄になり
三角頭の言う通りにしようとする。


もう1人の人間(殿下)は、
シイと同じぐらいの年の男の子で
ゴーレムを破壊してくっつけ遊ぶような暴君。


なんとかバルブと再会。

シイは人の器ではなく、
シイラス姫のクローンであることを知る。

バルブが元王宮ゴーレムで
シイラス姫が元々のマスターで
あることがわかる。

記憶板がバグって
シイをシイラスと間違えて接するバルブ。

シイはバルブが助けてくれてたのは
自分ではなくオリジナルの記憶のせいかと
落胆するが、
三角頭のビッグ(王宮ゴーレムのトップで
国を守るプログラムが入ってて殿下の支配下
ではないゴーレム。)が、
自動廃棄システムが起動した
ということは、その時点まではバルブは
シイをシイとして認識していたのではという。
(シイラスだと思ってたら起動しない)

まさかシイがずっと嫌がっていた
自動廃棄システムが
シイをシイと認識してた証明になるなんてと
嬉しくて涙を流す。

しかし今はバグで
姫(元のマスター)と思ってるから
そのシステムが起動しないことにも
気持ちの折り合いをつける。


そんな時、国が防御体制を取る。

シイはビッグに教えてもらって
他国が存在することを知り
このままでは他国と戦争が起こることを知る。

戦争を止めたい、殿下の暴走を止めたい、
ゴーレムたちと平和に暮らしたい想いから
シイは王座を奪う決意をする。
(今まで色んなゴーレムに言われても
拒否していたのに。)


殿下と対峙するシイは、
相変わらず話が通じないながらも
前よりは通じている会話が続いてると感じる。

殿下は、生き残るために出来ることをして
そしてシイと同じようにゴーレムしかいない
絶望を感じていた。

そして、戦争を始めたいのは殿下ではなく
ビッグであることを知る。

ビッグは人間がいなくなっても
他国からは人間がいるかのように見せかけて
国を維持し続けることに限界を感じていて
この国を存続させるには
他国に侵略させて文化遺産として認めさせ
保護してもらい維持してもらうことだった。


それはゴーレムたちは分解(解剖)されたり
するだろうし、シイのようなクローンや
オリジナルである殿下のような人間は
どんな扱いを受けるか分からない
ということでもあった。


このままの国を維持したいと願うシイの
想いの強さに王権を譲る殿下。

シイはゴーレム達に命令を下す。

そして、ビッグはシイが国を維持してくれる のならと、他国への交渉材料として
自分を破壊して “悪のゴーレムを倒した” と
責任を全て背負わせて他国に突き出すように
言うが、殿下が駄目だと叫ぶ。

シイは自分にとってのバルブが 
殿下にとってのビッグだったことに気づく。
(そして、シイはシイとして
バルブから守られていて、
殿下は王としてしかビッグに守られてない。)




どう乗り切ったかの描写はなく、
そして5年後。
国は賑わっていた。

シイはクローンの代表となっていた。
毎年10体ずつクローンを誕生させ名前をつけ
ゴーレムたちで育てていた。
(もっと一気に増やした方が対外的にも良い
のたが、個人個人を大事にしたいから。)


どうやら、他国からみたら珍しいクローンや
ゴーレムがいる国として、
観光都市として成り立っているようです。


殿下は他国との交渉を引き受け、
この国を守っていた。
(普通の護衛用ゴーレムを“ビ”と言いかけてた
ので、おそらく他の壊れたゴーレムをビッグと
して偽造して差し出して、
ビッグは護衛ゴーレムとして殿下の側にいる)

しんどい役回りなのにどうして頑張れるのかと
いうサフィの問いに、
殿下が頑張れるのは守りたいもの(ビッグ)が
分かったからだろうと答えるシイ。
(これが、このお話の肝かなと思います。)


シイはシイラスのお墓にバルブと行き、
“ありがとう” と伝える。


めでたしめでたし。


もっともっと深い話です。
私の読みでは不十分な上に
それを要約しようなんて不可能です。


人は誰かに守ってほしいし守りたい、
自分を自分として認識したいし認識してほしい
それがあれば強く優しくなれるのだという
お話だと思います。


人間の心や思考というのは
どの一線から人間となるんでしょう。
考えてしまいます。



うぅ、きっともっと深いのに
私の語彙力の限界が辛い。


電子単話読みだと、
作者さんの帯やら後書きやらが含まれてない
ことが多いので、
それを読んだらもっと深くわかりそうだし
印象が変わるかもしれません。

単行本が必要かな。


絵もとても素敵で好きです。




読むの疲れた〜。
心地良い疲れです。

ありがとうございます。









         
           




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