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碧いホルスの瞳 ー男装の女王の物語ー 全9巻 漫画 ネタバレ感想

2024年08月31日 20時51分00秒 | 漫画と本とアニメとドラマとCD
碧いホルスの瞳 ー男装の女王の物語ー 全9巻
漫画、犬童千絵
史実に基づくエジプト女帝のお話。

古代エジプト第18王朝第5代ファラオ
ハトシェプスト。

父は王トトメス1世、母は王妃アハメスの
長女ハトシェプスト(シェプスト)。

彼女の子供時代からお話は始まります。

女性がファラオになることはなく、
でも女系で継承されてく時代に生まれるが
(王妃になる長女の旦那がファラオになる)
シェプストは父を敬愛し王になりたいと願う
お馬鹿なお転婆娘と思われているが
本人は大真面目。


異母兄セティを次期ファラオに指名した父王は
シェプストの意見は無視して
セティをトトメス2世とし
シェプストを妻(王妃)にして王位を譲る。

その後、トトメス1世は戦死する。

トトメス2世は父親の前では良い顔する
権力万歳な体力バカ息子です。

政治はアメン神官団に丸投げで
戦だけは先頭に立ちシェプストが王妃なのは
気に食わないけど、
王妃の旦那が王という形式を破るのも面倒と
お飾り王妃にしてハレムを作って
たくさんの女性を侍らせてます。

シェプストは何故自分が王になれないと
いう想いを捨て切れてないし
自分が女であることも苛立ってるし
義兄のことは大嫌いなので、
これ幸いと夫婦の関係は一切無しです。

シェプストはセンムトという賢い青年を
ブレーンとして何とかしようとします。

シェプストは王妃として政治に関わろうとして
兄王にも神官団にも煙たがられます。

トトメス2世のハレムでは誰が男子を産むかの
激しい競争(暗殺)が繰り広げられ
トトメス2世は別にいいと思って放置
シェプストは耐えられないと思い
メスを入れようとするが爪が甘く敗れます。

センムトとも有らぬ疑いをかけられて
センムトは追放されます。

周囲はシェプストには
ハレムをどうこうするとかより
さっさと息子か娘を産んでくれと
思われていて、四面楚歌。

シェプストは身籠ってるハレム女の
身柄を確保して、その義母になろうとするが
息子(セティ)が産まれた直後に
計画がバレ失敗。


窮地に追い込まれたシェプストは
トトメス2世の子を産む意外に生きる道を
閉ざされてしまい、
頭を下げて抱いてもらう屈辱の日々で
娘ネフェラウラーを授かります。

まだ王になる夢を燻らせてるシェプスト。
これまでも度々あったハプスネプの囁きから
起死回生を狙う決意をします。

タイミングよくトトメス2世は病となり
献身的に尽くすフリをして
周りに慈悲深い皇后と思わせ地盤を作ってから
トトメス2世と2人きりの時に毒殺し
最期の言葉は自分が聞いたとして
息子セティをトトメス3世として即位させ
シェプストは皇太后として摂政となり
実質的に王の権力を手に入れる。
(本来は娘ネフェラウラーが王妃だが
トトメス3世に拒否され破談している)

なかなかに摂政政治は上手くいくが
やはりシェプストの目が届かないところで
トトメス3世は神官団側に
思想を植え付けられていく。
(シェプストが頑張ったので民を思う気持ちは前王の父親よりあるが父似で勉強より武力が
得意なのは仕方ないかも)

娘の方は復帰したセンムトを父親代わりとし
シェプストもセンムトを受け入れ(不倫)
親子3人仲睦まじくな時を過ごしていた。

摂政で満足されては困ると思った
シェプストを王にしたいハプスネプたち。


まずは思想が神官団に傾いてしまった
トトメス3世を修行のためと遠い地へ行かせて
共同統治の名の下にエジプトの中心地にいる
シェプストを実質の王とする。
(王妃役は娘のネフェラウラー)←形式大事。

ここからシェプストは男装と女装を使い分け
ながら統治していくが、
元からあった“男だったら良かったのに”という
気持ちが強く、センメトが作るファラオ像が
女性的ラインで作られていることに
拒否反応を感じている。

ここで、センメトとハシェプトの思想の違いが
浮き彫りになってきます。

ハシェプトは女の身体だが魂は男というか
自分は男でも女でもなく父のような
強いファラオになりたいと思ってて、
センメトはハシェプトに女性初の王として
立って欲しいと思っている。

センメトの統治の仕方は
ハシェプトと同じ方向を向いてはいるが
そこまでの急激な変化は国民には受け入れ難く
ハシェプトはやはり“強い王”でないと
外(国)敵から守れないと感じている。

センメトに傾倒しすぎるのは危険と感じてた
ハプスネプたちの言葉もあり
ハシェプトはセンメトに別れを告げて
建築作業の方だけをするようにと追い出す。

それに反発したのは娘のネフェラウラー。

彼女は完全にセンメトを信じ慕っていました。


そんな頃ジェフティ(トトメス3世)は
追いやられてる状況にイライラし
カバを倒して王として知らしめようと
(そういう儀式があった)
屋敷を抜け出しますが、母カバを標的にし
子供を守ろうと気が立ってる母カバに
殺されかけてしまい
止めるために追いかけてきた
妻のサトイアフに庇われて彼女を失います。

このことでジェフティ(トトメス3世)は
自分が無知であることに気づき
勉強するようになります。


また話を戻して
センムトとネフェラウラーが手を組み
次の王になるのは“妾の子ジェフティ”よりも
自分が正当だと言い出し
“妾の子”なんて言葉を使うネフェラウラーに
シェプストは咄嗟に叩いてしまう。

しかし、自分も女だけど王になりたくて
男装して王となっている身なので
出来れば叶えてやりたい気持ちもあるが、
義息子のトトメス3世(ジェフティ)を
共同統治から降ろすこともできず、
娘と共同政権で手を組んで欲しいと
甘い事を思う。←父王と一緒じゃんブーメラン

ネフェラウラーは母王の話に納得したフリをし
祭りで妻役も引き受ける。←大事な儀式

しかし、センムトとネフェラウラーは
この祭りで革命を起こそうとしていて
抜け出したネフェラウラーは
事前に気付いてた誰かにより暗殺されます。

当然容疑者はセンムト。

シェプストはセンムトを処刑したと見せかけ
国外へと逃します。
(ちゃんと好きだったことも告げる)

この2人、もう少し言葉が上手ければ
こんな拗れ方して姫を失うことに
ならなかったような。

葬儀キッカケでトトメス3世は戻ってきます。

数年が経ちますが、
王はシェプストのまま。

軍事はトトメス3世へ。

王と王妃がセットであることが大事なお国柄
娘亡き後 王妃の座が空いていることに
不満を持つ者も出てきますが
次期王のトトメス3世も王妃となる妻がいない。

トトメス3世は
亡きサトイアフ以外は妻にしたくなくないと
言いますが、
王妃がいるのは王になるのに必須。

周りが国中から美女を呼び寄せてしまいます。

とあるところの聡明で愛らしいメリエトも
両親に王妃の座を狙うように言われますが
彼女の願いは女帝であるシェプストの
妻になること。(もしや1番の破天荒!?)

メリエトは結婚したくない、
女性でも女性として活躍したい。

女帝シェプスト推し愛が凄くて押しかけます。

シェプストでも怯むほどですが、
ナゼ男装せねば王と名乗れないないのか?
それは女性たちへの冒涜ではないかと意見し、
シェプストは返答に詰まります。

その後、その結婚したくないオーラを
見破ったトトメス3世に
愛のない結婚相手として ふさわしいと
妻に選ばれてしまいます。

まだシェプストに王でいて欲しいという
見解の一致で結婚することにした2人。


祝いに訪れたシェプストが男装ではなく
家臣たちは女装して現れ度肝を抜かれます。

シェプストは妻の座が空いてることが
世を不安定にしているのならば、
自分が妻となると言い出しビックリ!

じゃあ相手は!?

それも自分だと言います。

男の魂と女の身体で両方こなす戦法!

メリエトの言葉が響いたようです。

そして、メリエトの王妃修行が始まります。

これでとりあえず王と王妃が揃い安泰となり
さらに時が過ぎます。


トトメス3世の実母が
メリエトの行動を探ってることに気づいた
ハシェプトは、ネフェラウラーの暗殺犯も
彼女の差金ではと疑うが、
彼女からあり得ないと言われ
ほんとは気づいてないフリしてるんでしょと
指摘される。

その直後、ハプスネフが自白して自殺。
ハシェプトは本当に気づかないフリしてた
自分に気づく。


さらに時は過ぎ体力的に限界なのに
まだまだ健在であることを民衆に見せる儀式を
やろうとするシェプスト。

しかし儀式の最中に気絶してしまいますが
目覚めて、最後までやり遂げて
その後、王位を譲ってから息を引き取ります。

時は過ぎ、30年後トトメス3世が亡くなり
息子が王となっています。

この世代の若者たちは、
シェプストの存在を知りません。

シェプストに関するものは破壊されて
タブーとなり時と共に忘れられたからです。

あんなに名を残すことに拘ってたシェプスト。

一体何があったのか!?

トトメス3世が実は恨んでた?
いいえ違います。

トトメス3世は貿易より戦という
トトメス1世と2世の世に戻したけど
それだけです。

彼女の痕跡がタブーとなったのは、
トトメス3世が急逝し、
即位する予定だった長男も急逝、
聡明で王妃になる予定だった長女が
王になるために謀反をしたと濡れ衣を着せられ
信じてもらえず絶体絶命の時に
母メリエトが娘たちは政治に関わらないと
約束したことで罪を免れます。

そして、この混乱を招いたのは、
女が王を望むような思想を持った原因は、
男装の女帝シェプストを容認したからだと
いう方向へ民衆の怒りの矛先を変え、
それによってシェプストが残したものは
ほとんど破壊されてしまい
シェプストの存在は忘却されていきます。


しかし近年、彼女は発見され
現代の技術で研究され
再びその存在を認められることになりました。

めでたしめでたし。


ものすごく面白かったです。

ハプスネフは王国の忠臣なので、
王国が続くことが大事だから
トトメス2世よりシェプストを支持して
助力してきたんであって、
ネフェラウラーはセンムトに褒められたいだけ
という感じだし、
センムトはシェプストを手に入れたいだけな
感じだったので、
計画をバラす程度では再犯の恐れありだなと
ハプスネフはネフェラウラー暗殺に
舵を切るんですよね。

娘の暗殺や元恋人の裏切りでも
シェプストが崩れないことが
わかっちゃってるのがハプスネフ。

センムトとネフェラウラーは
そこら辺シェプストへの甘えがあった
気がします。

史実があって、
これだけの臨場感溢れるストーリーが
作れるなんて凄すぎです。

作者さん論文書いたらいいのにと
思ってしまいました。


エジプト王朝って興味深いし好きなので
こういうお話は面白くてしょうがない。

とっても勉強にもなりました。

読んだ勢いで書いたので
上手く端折ることも上手く伝えることも
出来てないと思いますが、
私が夢中で読んだことは伝わるかと。


本当にありがとうございます。



        







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