環と周(たまき と あまね)
漫画、よしながふみ
昨日発表された
『このマンガがすごい!2025』オンナ編 第1位
おめでとうございます。
よしながふみ先生は
『大奥』や『きのう、何食べた?』などなど
好きな作品が沢山なので
少し前に買って読んでました。
面白いけど複雑なんで
感想書くのムズイなぁと放置してました。
現代編、明治時代編、70年代編、戦後編、
江戸時代編の『環と周』の物語で、
1つの時代で読み切りとして読み応えがあるのに
全部を通してのストーリーもあるという
この複雑さを1冊の本に纏めきる
よしなが先生の凄さよ!
1つの時代ごとに1冊あってもいいぐらいなのに
削ぎ落とし研ぎ澄まされたストーリーは圧巻!
簡単に言ってしまえば生まれ変わりモノです。
その時代時代に生まれ変わり出会う『環と周』
なんですが、その出会い方が秀逸。
“幸せになってほしい”という愛のカタチは
家族、女同士の友情、
同じアパートに住む余命わずかな女性と少年、
復員兵と元上官と恋愛だけではなく、
環は周に幸せになってほしいと願う。
その始まりが最終話の江戸時代編。
周の夫を斬った幼馴染の環を
仇討ちのために再会するんですが
本当は両想いなんですよね。
でも想ってることに蓋をして気づかれないよう
仇となるのがね。
そして、環の周への約束。
『何度でも生まれてこい!
必ずみつけて生まれてこなければ良かったとは
もう二度と言わせぬ!』から
エピローグで現代編に戻り
最初のお話の夫婦が環と周で
全てのお話が繋がっていること
最初のお話での
お母さんが料理でお父さんが洗濯の役割分担も
環と周だからなんだなとか色々とわかるような
仕組みになってます。
名前も ひっそりとしか出てこないから
探さないと どっちの誰が環で周か
なんでどうしてどうなったんだっけと
もう最初から読み直すしかないというね。
読み直すと違う世界が見えてきて
細かいとこに環だから周だからが
散りばめてあるのが見えてくる。
すごい作家さんです。
こういう細かいピースがピタッとハマる
気持ちよさを感じるのは
『大奥』の作者さんらしいなぁと思います。
やっぱり上手く書けないので
読んでみて下さい(笑)
何度読んでも気づきのある珠玉の1冊を
ありがとうございます。