2023年9月15日(金)17:30から進交会館で、『ホームズの事件解決法をビジネス、生活に応用すれば』というテーマで三金会(ミニ講演会)が開催された。講師は、「コナン・ドイル/シャーロック・ホームズ/ヴィクトリア朝研究家」の田中喜芳先生。人間行動学博士で大学講師、ホームズや作家関係団体に多数所属するとともに、関係著作や翻訳も多く、関係グッズのコレクターでもある。
話は、①「ホームズ物語」とは何か。②「ホームズ物語」の魅力は何か、③ビジネスにも応用できる、名探偵ホームズの事件解決術の3点に絞り進められた。
ごく短く紹介すれば、①については、全60編(長編4、短編56)からなる英国コナン・ドイル(1859‐1930)作の推理探偵小説。②については、物語自体の醍醐味をはじめとにかく面白いこと。また、私たちの生活にも役立つ内容が多く盛られていること。聖書に次ぐベストセラーともいわれる所以である。
③については、ホームズの観察力、推理力、知識力、行動力が際立つが、例えば、質問力という点では、よく聞くこと、的確な質問をすること、人は正直に話すとは限らないので注意力をもって、しかし先入観を持たず接すること。また、情報にあたっても、無視してもよいものと重大なものとを見分ける能力とか、不足する情報で突き進むのは危険であること。仮説を立ててみること、見方を変えてみること、検証することが大事なことなどなど、示唆する点が多いという。
それは、マーケッティング、イノベーションを基調とする現代ビジネスにはもちろん、私たちの日常生活にも取り入れられるはずだ。ことにコロナ型ウィルス問題のように、教科書に書かれていないような、既成のものでは対応できず、自分自身で解決法を見つけていかなくてはならないことの多い現代社会では、なおさらホームズ物語を読んでほしいと講演者は語る。
関心深い演題だけに37名という出席者でした。また、ホームズの出身大学、前と後ろにツバのある帽子(鹿撃ち帽)やパイプのことなど興味ある質問がありました。
なお、講師の最新刊『シャーロック・ホームズが見た世界―古絵葉書で甦るその時代』(言視舎)は、登場する地名の場所やヴィクトリア時代背景を表すものを30年かけて集めたうちの選りすぐりのものを掲載しているので、ぜひ視覚からもホームズを堪能していただきたいとのことでした。
文責 飯田光雄 記 仁井淳二
シャーロックホームズ初版本の説明をされる田中喜芳先生
田中喜芳先生近著 【シャーロック・ホームズが見た世界】販売会
東島会長挨拶
熱心に聞き入る会場参加者
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