『皇室のみやび ― 受け継ぐ美』
於 皇居三の丸尚蔵館
第7回の例会は、3月27日(水)に18名の方にご参加いただき、皇居三の丸尚蔵館に
於いて『皇室のみやび ― 受け継ぐ美』を鑑賞致しました。
当日は、朝方やや風が強かったものの見渡す限りの青空、週間天気予報で唯一
雨の予報が出ていなかった日にあたり、たいへん幸運でした。
そのおかげで、鑑賞後の有志による「お散歩会」も無事行うことができました。
第3期:「近世の御所を飾った品々」
三の丸尚蔵館は、昨年11月に展示スペースを大幅に拡張した後、同館を代表する
収蔵品を4期に分けて公開しており、我々が鑑賞したのは第3期に該当します。
展示品は上記のテーマに則り、前半は「硯箱」「箪笥(小物入れ)」「鏡」「香箱」等
極めて精緻なつくりの調度品・身近な品で構成されています。
後半は、「屏風」(当会は、昨年「東京国立博物館」にて鑑賞しました。)の数々と
国宝「更級日記」です。
前半で印象に残ったのは、「蔦細道蒔絵文台・硯箱」(16世紀)で絢爛豪華な文房具で
あり上質感漂う芸術品です。また、「龍笛」(平安時代)は手作りの精密なもので当時の
笛の音が聞こえてくるような一品です。
後半の展示では、何といっても今話題の源氏物語に纏わる屏風でしょう。
狩野永徳の作と言われる「源氏物語図屏風」は誰もが立ち止まる壮観なものです。
1枚の絵の中に幾つかの物語が描き込まれているので、作者の意図を推し量ることに
興味は尽きません。
皇居での展示というと敷居が高く感じられますが、今回の展示は皇室において受け
継がれてきた日本文化の継承品であり大変なお宝です。これを読まれた皆様にも
是非鑑賞されることをお薦めいたします。(ご参考:70歳以上の方は無料、その他の方は
1000円と低廉な設定)
次回は、6月25日に東京都美術館にて、「デ・キリコ展」を鑑賞する予定です。
皆様には、後日詳しい内容をご案内させていただきます。 (記:里見誠二)