特別展 『やまと絵 ― 受け継がれる王朝の美』
於 東京国立博物館 平成館
第5回の「美術館・博物館を巡る会」は、晴天の11月2日に20名の参加を得て
東京国立博物館に於いて、特別展「やまと絵」を鑑賞、その後希望者は場所を
東京都美術館に移し、カフェにてお茶会を楽しみました。
ところで、「やまと絵」とは一般にはあまり聞きなれない言葉です。
大まかな定義としては、平安時代前期に遣唐使を廃止後(おなじみ894年)、
唐からのものではなく、大和(やまと)のものとして、独自に花鳥風月や
貴族文化等を描いた王朝芸術と言われています。
また、「唐絵」でも「漢画」でもないものの、それぞれが無関係ではなく
お互いに融合しながら何百年という時を経て発展を遂げたということです。
今回観る者を魅了する理由は、以下にあると考えます。(総件数:245)
1. 平安時代から鎌倉、南北朝・室町時代と連綿と続く歳月の中で生まれた
傑作(至宝)が、全国各地の美術館他から一堂に集められていること
2. 屏風・絵巻・肖像画に加えて、箏・扇・手箱と作品が多岐にわたること
3. 誰もが一度は目にしたことがある(キャッチフレーズは、「日本美術の
教科書」)作品が多く、昔を思い出し親近感がもてること
展示は、代表的なものだけでも「山水屏風」から始まって「伝 源頼朝像」
「紫式部絵巻 断簡」「平治物語絵巻」「石山寺縁起絵巻」そして、
「浜松図屏風」で終わるのですが、会場を出る際にはフッと息をつくような
充足感がありました。(アンダーラインは国宝を示す)
参加者は穏やかな黄昏れのもと、少し雅な気持ちで会場を後にしました。
次回は、1月12日に「モネ 連作の情景」を企画しております。
皆様には、近日中にご案内する予定です。 (記:里見誠二)
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