この国ファッショ国家に逆戻り中 増税法案の前に総選挙が必要
(日刊ゲンダイ2012/4/4)
日陰者だった自衛隊が大きな顔してノサバリ始め、自衛隊員の息子が首相となり民意を無視して独裁政治を強行しているのに大新聞テレビはそれを歓迎煽動している
1933年1月30日にドイツではヒトラー内閣が誕生した。その約1カ月後に起きたのがドイツ国会議事堂放火事件だ。“頭のおかしい”オランダ人の共産主義者による単独犯行だったが、ヒトラーは「これは天からの合図だ。危険な害虫どもを徹底して潰さなければいけない」「コミュニストの幹部は1人残さず銃殺だ」と叫び、事件を共産主義者による“集団反乱”にしてしまう。以後、徹底した弾圧をしたのだが、野田政権を見ていると、小沢もいつか、放火犯にさせられてしまうのではないか、と心配になってくる。
世紀の謀略で小沢の元秘書らを逮捕し、小沢自身も強制起訴して、党員資格停止にしたヤリ口は、ヒトラーさながらではないか。そうやって小沢の動きを封じ込め、その間に公約破りの消費税引き上げを断行しようとしているのが野田なのだ。
民意はどうなるのか、というと、法案を通してから「選挙」のつもりで動いている。
民意をなめているんじゃないか。というより、野田にしてみりゃ、民意なんてどうでもいいのだ。
野田は事あるごとに「国民につらいことでもやるのが政治だ」みたいなことを言う。一見、マトモに聞こえるが、裏を返せば、「国民は黙ってろ。決めるのはオレだ」という理屈だ。
この傲慢さが恐ろしい。この延長線上にあるのは独裁だ。だから、「法案を通した後に選挙」などというトンデモ論法が出てくるのだ。
◆ナチスと同じ手口の野田を許すな
国民は「3%程度の消費税増税ならばいいか」なんてタカをくくっているのだろうが、甘い。コイツらは平気で何だってやってくる。なにしろ、「国民が嫌がることでもやるのが政治だ」と思い上がっているからだ。
ナチスは国際協調、平和外交、ワイマール憲法の順守を公約に選挙運動を展開、その期間中に国会放火事件が起こった。共産主義者を弾圧し、選挙に勝つと、ナチ党以外の政党を禁止し、アッという間に独裁体制を樹立した。これが歴史なのである。
それなのに、大マスコミは野田の暴挙を傍観どころか、後押ししている。評論家の佐高信氏が驚いていた。
「小沢グループらが消費税引き上げに反対して、政務三役や党の役職を辞任しようとすると、大メディアはそれを造反と書いていた。反逆、謀反だというのです。野田執行部の立場から見れば造反だろうが、国民の立場に立てば、野田政権こそが造反になる。大マスコミがどっちを向いて記事を書いているかがよく分かります。民主党は『徹底的に行政の無駄に手を入れます』『だから、その間、消費税引き上げはやりません』と公約して、選挙に勝ったんですよ。それを無視して増税に走る政権にノーを突きつけることがなぜ、造反になるのか。恐ろしい書き方だと思います」
こうした大メディアは自民党も協力しろ、と平気で書いている。翼賛体制の奨励だ。話し合い解散にも無批判で、要するに「容認」「賛成」している。
頭がおかしいのではないか、どいつもコイツも。
「こんなことを許していたら、民意無視の独裁体制になってしまう。ねじれ国会による“決められない政治”に対するアンチテーゼと小沢憎し。この2つが重なって、とんでもない暴論がまかり通っているのです」(政治評論家・野上忠興氏)
恐ろしい状況だ。この国はファッショ国家に逆戻りしようとしている。しかも、そのトップは自衛隊員の息子で、いつの間にか、武道教育の義務化が決まり、そうした政権が北朝鮮のミサイル危機を煽(あお)り、パトリオットミサイルの配備がニュースの主役になる異様――。
どう見ても、この国はおかしいし、国民がそれに気づいていないところがなお、怖いのだ。
◆民主党議員には絶対に権力を渡してはダメだ
今の民主党の青二才、勘違い議員と違って、昔の政治家はまだマシだった部分がある。権力の怖さを熟知し、それを振るうときには謙虚さも持ち合わせていたからだ。
竹下内閣が消費税を導入するとき、小沢一郎は官房副長官だった。「夜も眠れなかった」「増税とはそれだけ重いものだ」と振り返っている。
戦中派の政治家は、暗黒時代を知っているだけに、権力の暴走を恐れ、その使い方にはことのほか、気配りをしたものだ。
「中曽根内閣がダブル選挙で圧勝したとき、自民党は304議席を獲得した。時の国対委員長が藤波孝生氏。数の力で何でもできるのに、“こういうときこそ、丁寧にやらなければいけない”“権力を使う側にはたしなみが必要”と言っていましたね」(秘書だった松木謙公衆院議員)
藤波は1932年生まれである。1925年生まれの野中広務・元自民党幹事長は97年、沖縄特措法が9割の賛成で可決した際、特別委員長としてこう言った。
「沖縄県民を軍靴で踏みにじるような結果にならないように。どうぞ再び大政翼賛会のような形にならないように若い皆さんにお願いしたい」
野中はイラク特措法の採決でも退席し、「国の運命を決める重要法案だ。自衛隊の死傷者、イラク国民の命を奪うようなことを思うと、政治家が責任を持つ記名投票でないと納得できない」と語っていた。
これが政治のたしなみというものだろう。国会議員が民意を踏みにじり、数の力で押し切ることはあってはならないことなのだ。
◆この政権が続いたら暗黒時代に逆戻り
権力とは魔物のようなもので、常に民意が監視し、為政者が襟を正していないと、暴走する。いったん、暴走が始まるとナチスや戦前の日本のように後戻りがきかなくなってしまう。
野中らはその危険性を熟知していたのだが、野田を筆頭に民主党のバカ議員は、そんな基本的なことが分かっていない。前出の佐高信氏は「何とかに刃物、民主党に権力」と嘆いていたが、そうなのだ。しかも、大マスコミもそれを批判せずに応援する世も末。こんな連中には絶対に権力を渡してはダメなのだ。政治評論家の森田実氏が言う。
「民主党は増税をしないと言ってきたのです。どうしてもやりたいなら、解散・総選挙で民意を問うべきで、法案を通してから選挙なんて、許されません。国民をダマして選挙に勝ち、手のひら返しの政策が許されたら、何でもできる。なぜ、もっと反対派が出ないのか。なぜ、メディアは黙っているのか。トチ狂っているとしか思えません」
こんなデタラメ政治を許していたら、この先、何をやられるか分かったもんじゃない。戦前戦中の暗黒時代の反省はどこに消えたのか。もう一度、苛酷な戦中戦後の耐乏生活に戻っていいのか。言論、思想信条の自由を放棄するのか。国民はよくよく考えて行動することだ。
(mokeihikiさんの許可を得ててんさいしました)
(日刊ゲンダイ2012/4/4)
日陰者だった自衛隊が大きな顔してノサバリ始め、自衛隊員の息子が首相となり民意を無視して独裁政治を強行しているのに大新聞テレビはそれを歓迎煽動している
1933年1月30日にドイツではヒトラー内閣が誕生した。その約1カ月後に起きたのがドイツ国会議事堂放火事件だ。“頭のおかしい”オランダ人の共産主義者による単独犯行だったが、ヒトラーは「これは天からの合図だ。危険な害虫どもを徹底して潰さなければいけない」「コミュニストの幹部は1人残さず銃殺だ」と叫び、事件を共産主義者による“集団反乱”にしてしまう。以後、徹底した弾圧をしたのだが、野田政権を見ていると、小沢もいつか、放火犯にさせられてしまうのではないか、と心配になってくる。
世紀の謀略で小沢の元秘書らを逮捕し、小沢自身も強制起訴して、党員資格停止にしたヤリ口は、ヒトラーさながらではないか。そうやって小沢の動きを封じ込め、その間に公約破りの消費税引き上げを断行しようとしているのが野田なのだ。
民意はどうなるのか、というと、法案を通してから「選挙」のつもりで動いている。
民意をなめているんじゃないか。というより、野田にしてみりゃ、民意なんてどうでもいいのだ。
野田は事あるごとに「国民につらいことでもやるのが政治だ」みたいなことを言う。一見、マトモに聞こえるが、裏を返せば、「国民は黙ってろ。決めるのはオレだ」という理屈だ。
この傲慢さが恐ろしい。この延長線上にあるのは独裁だ。だから、「法案を通した後に選挙」などというトンデモ論法が出てくるのだ。
◆ナチスと同じ手口の野田を許すな
国民は「3%程度の消費税増税ならばいいか」なんてタカをくくっているのだろうが、甘い。コイツらは平気で何だってやってくる。なにしろ、「国民が嫌がることでもやるのが政治だ」と思い上がっているからだ。
ナチスは国際協調、平和外交、ワイマール憲法の順守を公約に選挙運動を展開、その期間中に国会放火事件が起こった。共産主義者を弾圧し、選挙に勝つと、ナチ党以外の政党を禁止し、アッという間に独裁体制を樹立した。これが歴史なのである。
それなのに、大マスコミは野田の暴挙を傍観どころか、後押ししている。評論家の佐高信氏が驚いていた。
「小沢グループらが消費税引き上げに反対して、政務三役や党の役職を辞任しようとすると、大メディアはそれを造反と書いていた。反逆、謀反だというのです。野田執行部の立場から見れば造反だろうが、国民の立場に立てば、野田政権こそが造反になる。大マスコミがどっちを向いて記事を書いているかがよく分かります。民主党は『徹底的に行政の無駄に手を入れます』『だから、その間、消費税引き上げはやりません』と公約して、選挙に勝ったんですよ。それを無視して増税に走る政権にノーを突きつけることがなぜ、造反になるのか。恐ろしい書き方だと思います」
こうした大メディアは自民党も協力しろ、と平気で書いている。翼賛体制の奨励だ。話し合い解散にも無批判で、要するに「容認」「賛成」している。
頭がおかしいのではないか、どいつもコイツも。
「こんなことを許していたら、民意無視の独裁体制になってしまう。ねじれ国会による“決められない政治”に対するアンチテーゼと小沢憎し。この2つが重なって、とんでもない暴論がまかり通っているのです」(政治評論家・野上忠興氏)
恐ろしい状況だ。この国はファッショ国家に逆戻りしようとしている。しかも、そのトップは自衛隊員の息子で、いつの間にか、武道教育の義務化が決まり、そうした政権が北朝鮮のミサイル危機を煽(あお)り、パトリオットミサイルの配備がニュースの主役になる異様――。
どう見ても、この国はおかしいし、国民がそれに気づいていないところがなお、怖いのだ。
◆民主党議員には絶対に権力を渡してはダメだ
今の民主党の青二才、勘違い議員と違って、昔の政治家はまだマシだった部分がある。権力の怖さを熟知し、それを振るうときには謙虚さも持ち合わせていたからだ。
竹下内閣が消費税を導入するとき、小沢一郎は官房副長官だった。「夜も眠れなかった」「増税とはそれだけ重いものだ」と振り返っている。
戦中派の政治家は、暗黒時代を知っているだけに、権力の暴走を恐れ、その使い方にはことのほか、気配りをしたものだ。
「中曽根内閣がダブル選挙で圧勝したとき、自民党は304議席を獲得した。時の国対委員長が藤波孝生氏。数の力で何でもできるのに、“こういうときこそ、丁寧にやらなければいけない”“権力を使う側にはたしなみが必要”と言っていましたね」(秘書だった松木謙公衆院議員)
藤波は1932年生まれである。1925年生まれの野中広務・元自民党幹事長は97年、沖縄特措法が9割の賛成で可決した際、特別委員長としてこう言った。
「沖縄県民を軍靴で踏みにじるような結果にならないように。どうぞ再び大政翼賛会のような形にならないように若い皆さんにお願いしたい」
野中はイラク特措法の採決でも退席し、「国の運命を決める重要法案だ。自衛隊の死傷者、イラク国民の命を奪うようなことを思うと、政治家が責任を持つ記名投票でないと納得できない」と語っていた。
これが政治のたしなみというものだろう。国会議員が民意を踏みにじり、数の力で押し切ることはあってはならないことなのだ。
◆この政権が続いたら暗黒時代に逆戻り
権力とは魔物のようなもので、常に民意が監視し、為政者が襟を正していないと、暴走する。いったん、暴走が始まるとナチスや戦前の日本のように後戻りがきかなくなってしまう。
野中らはその危険性を熟知していたのだが、野田を筆頭に民主党のバカ議員は、そんな基本的なことが分かっていない。前出の佐高信氏は「何とかに刃物、民主党に権力」と嘆いていたが、そうなのだ。しかも、大マスコミもそれを批判せずに応援する世も末。こんな連中には絶対に権力を渡してはダメなのだ。政治評論家の森田実氏が言う。
「民主党は増税をしないと言ってきたのです。どうしてもやりたいなら、解散・総選挙で民意を問うべきで、法案を通してから選挙なんて、許されません。国民をダマして選挙に勝ち、手のひら返しの政策が許されたら、何でもできる。なぜ、もっと反対派が出ないのか。なぜ、メディアは黙っているのか。トチ狂っているとしか思えません」
こんなデタラメ政治を許していたら、この先、何をやられるか分かったもんじゃない。戦前戦中の暗黒時代の反省はどこに消えたのか。もう一度、苛酷な戦中戦後の耐乏生活に戻っていいのか。言論、思想信条の自由を放棄するのか。国民はよくよく考えて行動することだ。
(mokeihikiさんの許可を得ててんさいしました)
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