安倍政権が年内発足を目指す「国家安全保障会議」(日本版NSC)。設置法案に対する参院の国家安全保障特別委の参考人質疑が21日行われ、沖縄返還をめぐる日米両政府の密約を報じて逮捕された元毎日新聞記者の西山太吉氏らが参考人として出席した。
西山氏は質疑で、NSCの必要性は一部認めつつも、「国家の安全保障は国民にとってそれ以上ない重要なテーマ。日米安保条約に基づいて双方が合意した内容は一点の隠し事もなく国民に伝達しなければならない。今は情報を隠そうということばかりに力点が置かれている」と指摘。さらに安倍政権の下で内閣法制局長官や、日銀総裁、NHK経営委員などの人事が決められていることについて、「権力を一挙に集中させる意義が分からない。権力を集中させるほど秘密保全が進む」と語り、強い警戒感を示した。
NSC設置法案と特定秘密保護法案はコインの裏表だ。秘密保護法案への世論の反発が高まる中、かつて“被害者”となった西山氏の発言は重いし、説得力がある。ところが、この日の特別委をNHKは中継しなかった。秘密保護法案を集中審議している衆院特別委の中継もしていない。まるで国民に審議を見せたくないようだ。
元NHK政治部記者でジャーナリストの川崎泰資氏はこう憤る。
「法案が成立すれば、報道機関のNHKの現場も大きな影響を受けるのです。特別委の理事会に頼み込んででも中継するべきですよ。録画を流してもいい。それなのにノンビリと相撲中継に時間を割いているのだから、どうかしています」
秘密保護法案は来週にも衆院で採決するとみられている。NHKにあらためて採決の中継予定を聞くと「未定」(広報部)と答えた。
「知る権利」よりも「相撲」が大事なら、NHKはさっさと報道機関の看板を下ろした方がいい。
堤未果氏も名前を連ねるべき『秘密保護法』反対表明者としてあれだけ声高々に上目目線で講演して歩いたじゃないか!
女優の藤原紀香がブログで特定秘密保護法案に反対して話題をまいたが、それに続く美人女子アナが現れた。NHKなどで活躍したフリーアナウンサーの安田真理氏(35)で、今月15、16日、〈「特定秘密保護法案!?」と「西山太吉さん!!」〉と銘打った文章をアップ。法案に疑問を投げかけた。
さっそく、安田さんに話を聞いてみると――。
「16日に沖縄密約を暴いた元毎日新聞記者の西山太吉さんの講演を聞きました。『外務省は密約文書を破棄し、今でも“密約はなかった”と嘘をついている』『秘密保護法案が成立すると、こうした政治犯罪がまかり通る』などと語られ、最後に『(政府を)底辺から突き上げて欲しい』と訴えられました。まさに私たちが底辺で、何もしない日本人だったのだろうと思い知らされたんです」
安田さんは鳥越俊太郎氏らが呼びかけたジャーナリストらの反対決起集会にも参加した。
「秘密保護法案について、もっと詳しく知る必要があると思いました。本当に、スパイ行為などから自国を守るものなのか、それとも、国民を戦争に駆り立てるものなのか。この法律の下、自分の夫や息子が戦争に駆り出されることになった時に『こんなはずじゃなかった!』と言っても遅いわけですから」
先日は日経新聞が主催した「日米同盟」をテーマにしたシンポジウムにも参加した。
「日米同盟を強化して日本も武力武装する、自国を守るためには戦争も仕方がないのだという流れを強く感じました。戦前の軍国主義が復活するような気がして、怖いですね」
キー局のアナウンサーも声を上げるべきだろう。
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