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米国の干ばつ 低い食料自給率上げよ (2012年07月23日):日本農業新聞記事です

2012-07-23 20:10:31 | 言いたいことは何だ
米国の干ばつ 低い食料自給率上げよ (2012年07月23日)





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世界の穀類需給の行方に「黄信号」が点滅し始めた。震源地は世界のパンかご、米国の中西部だ。トウモロコシの国際需給などを大きく左右する米国産の作柄が、記録的ともいえる干ばつで大幅に悪化することが確実となった。貧しい食料輸入国への悪影響が予想される他、わが国の飼料原料価格への波及も懸念される。食料安全保障を真剣に考え、備蓄拡大などの短期的な対策の他、長期的には国内自給力増強の道を探るべきだ。

 米国・シカゴのトウモロコシや大豆などの穀類相場は6月以降急上昇。いずれも最高値記録を更新し、さらに値上がりする恐れもある。価格を押し上げているのは、現在進行中の米国の干ばつだ。米国のトウモロコシは生育にとって一番大切な受粉期を迎えている。大豆もこれから大事な時期が続く。極度の高温と乾燥は、作柄に致命的な打撃となるだろう。米国内のメディアは、連日トップ級の扱いで干ばつと作物への悪影響を伝えている。

 米農務省が発表した最新の需給報告によると、米国のトウモロコシの生産見通しは、1カ月前の見通しに比べて12%も減少した。大豆の生産見通しも引き下げられた。今後も高温と乾燥が続くとの予測から、シカゴのトウモロコシ、大豆の先物に大量の買い注文が入っている。比較的需給に余裕があるとみられていた小麦相場も、ロシアなどでの減産と、トウモロコシの値上がりを受けじりじりと値を上げているのが現状だ。こうした状況が続けば輸入飼料の高騰を招き日本国内の畜産農家に大きな影響が出ることは必至だ。

 2007年から始まった穀類価格上昇は、オーストラリア、ロシア、ウクライナなどの減産とバイオ燃料向け需要、新興国での畜産消費拡大などがきっかけだったが、豊富な米国産の存在が最後のところで暴騰を防いできた。そこに今回の米国での干ばつである。

 米国の穀類生産は過去の事例を見ても、10年に1、2度の干ばつ被害を受け、そのたびにトウモロコシなどの相場が跳ね上がった。ところが、1988年の干ばつ被害を最後にして、その後は天候に恵まれた年が続いた。単位当たりの収穫量も伸び続け、米国農業はここ数年、高価格で高収量という恵まれた環境にあった。しかし天候に左右されると言う農業の宿命からは逃れられない。米国の穀類輸出にとって、大切な役割を果たすミシシッピ川を利用したはしけ輸送にも異変が起きている。降雨が少ないため川の水位が下がり、はしけ輸送に支障が出始めた。本格的に新穀が出回る秋以降まで混乱が続けば、日本向け輸出の物流にまで影響が出かねない。早めの準備が必要だ。

 世界の食料需給は不安定さを増している。ここに注目すべきである。長い目で見れば、国内で自給飼料や穀物の増産を通じて、低い食料自給率を引き上げていくことが大切だ。



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