ヤマハ旧車 空冷2気筒 4ストローク1サイクル SOHC GX & XS Heritage Special 破壊ブログ

ポイント式バッテリー点火・セル&キック併用式・リターン式6段変速・前後ディスクブレーキの旧いオートバイです。

バルブクリアランス調整②

2018年05月13日 14時12分00秒 | ヤマハ GX
前回の続きです。
物凄い音で、全くエンジンが掛からなくなってしまいました。壊してしまったのかと焦りましたが、落ち着いてもう一度マニュアルを読んでみます。
結果…つい先日、エンジンの吸気から排気の工程でクランクシャフトが2回転しているのを理解したばかりなのに、それが頭から抜けていました。
要するに、各シリンダーの上死点は吸気開始から排気完了の工程の中で、左右共に2回やってくるのです。つまり、私は圧縮上死点と排気上死点を区別せずにバルブクリアランス調整をやっていたのです(-.-;)y-~~~
恐らくLTやRTを覗き窓のマークに合わせた時、たまたま排気上死点だったのでしょう。マニュアルには、圧縮上死点で調整すると記載されています。恐らくあの大きなガタガタという音は、バルブクリアランスを広げ過ぎた為に、バルブアジャスティングスクリューがバルブの頭にぶつかる時に出たのでしょう。
そしてバルブクリアランスが広過ぎて、バルブをきちんと開く事が出来ない為に、しっかりと混合気を吸い込めずにエンジンが掛からなくなってしまったという事でしょうか。

では何故、排気上死点ではなく圧縮上死点で調整する必要があるのか調べてみます。
圧縮上死点では、混合気が漏れないように全てのバルブが閉まっています。
排気上死点付近では
●大気圧(ピストン下降時の負圧)によってシリンダー内に入って来た混合気が排気ガスを押し出す力
●排気ガスの圧力波が混合気を引っ張る力
の2つの力を利用する為に、ごく短い時間ですがオーバーラップといって吸気も排気も両方のバルブが少しずつ開いているようです。
バルブが開いているという事は、ロッカーアームがバルブを押しているという事になります。
つまり、オーバーラップの時はインテークバルブもエキゾーストバルブもバルブクリアランスが0なのです( ̄∀ ̄)
なるほど…前回調整しようとシクネスゲージを差し込んだ時は、たまたまオーバーラップだったからキツ過ぎて入らなかったんですねε-(´∀`; )

早速正しい圧縮上死点でバルブクリアランス調整をしてみます。
マニュアルにはプラグを外して、その穴に指を突っ込んで圧縮上死点を確認するように記載されていますが、いまいち良く分かりません(-_-)
エンジンの仕組みを思い出しながら、左側から合わせて行きます。
クランクシャフトを左回転で回していくとインテーク側のロッカーアームが下に向かって動いた後に止まりました。更にもう少しクランクシャフトを回していくと今度はロッカーアームが上に向かって動いた後に止まりました。恐らく吸気が完了した瞬間でしょうか。その後最初に来るLTマークが圧縮上死点の様です。
何度考えても、恐らくこの考え方で大丈夫そうなのでこのやり方で調整してみます。
全てのバルブクリアランス調整が終わったところで、また全てのカバーなどを締めます。
ではエンジンを掛けてみましょう。

GX「キュルキュルドルルルーン!ドドドド!」

凄い掛かり方ですΣ( ̄。 ̄ノ)ノ
ほんの少しセルスターターボタンを押しただけで元気良く掛かりましたε-(´∀`; )
ではそのままアイドリングを1200回転に下げてみます( ̄^ ̄)ゞ

GX「ドドドッドッドッ…ドッ…ドッ…ぷすっ」

ダメですね( ´Д`)y━・~~
マニュアルの回転数が間違っているのでしょうか…そんな訳ありませんヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3

では何が原因なのでしょう?
もしかして火花のタイミングは良くても、火花そのものが弱いのではないでしょうか?
プラグを外して見てみます。
バッチリ元気な火花が出ています。


もう何が原因なんでしょう。゚(゚´Д`゚)゚。
ここまで来ると、ついに心の片隅で
「キャブレターはきちんとオーバーホールしてあります」
という販売店の事を疑い始めた今日この頃です( ̄∀ ̄)