憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

波陀羅・・13   白蛇抄第5話

2022-12-13 09:42:53 | 波陀羅  白蛇抄第5話

頃合も丁度良い。
長男である一樹が十五の時、
取りとめない落ち度を陽道は叱りあげた。
「ならぬ事をしおって・・・仕置きじゃ」
諌まらぬ様子で一樹を睨みすえる陽道の前に
へたりと座りこんで一樹は頭を下げていた。
芬芬とした陽道が一樹の後ろに回った。
背中に振り下ろされる棒の痛みに堪えるため
一樹はじっとしていた。
その一樹の腰辺りに陽道の手が延びて来ると
一樹の袴がとかれ引き摺り下ろされた。
尻への兆着は十五にもなれば流石に恥じ入るものがある。
「父さま。堪忍して下さいませ」
思わず懇願する一樹の下帯さえ陽道が毟り取ると
「じっとしておれ。お前がした事への仕置きじゃ」
そう言われたかと思うと一樹の尻の中に
陽道が己の陽物をぐいぐいと捻じ込み始めた。
「ぁ、父様・・父様・・い・・痛・・・い」
「声を出すな。
己の仕置きに負けて声を出すなど持ってのほかじゃ」
陽道にされている事が何であるか判らないまま、
一樹は父の言うとおり、声を忍びその仕置きに耐えた。
これが親子のすることである訳がない。
が、余りの痛みに一樹は
ひどい仕置きがある物だとしか考えなかった。
事が済み果てると陽道は
「このような仕置きをせねばならぬほどにわしを怒らすなよ」
一樹の頭を撫でる。
父の優しい言葉に一樹も
「父様。気をつけますに、どうぞ、堪忍して下さい」
涙ぐんで再び謝る子どもでしかなかった。
恥じ入るような所への仕置きが
その後何度か繰り返されて行くうちに、
一樹の方から他愛の無い阻喪まで陽道に打ち明けて
その仕置きを求めて行く様になっていった。
「父さま。一樹は父様の御着物を踏んでしまいました」
黙っておればすむような事まで仕置きの種にして、
陽道に嬲られる事を望む様になると、
陽道は一樹にマントラを教えた。
「それは?」
「わしが、叱っても叱っても、阻喪を繰り返すに
お詫びのしようの無い。
神様に直に謝るが為の言葉じゃ」
「は・・・い」
教えられたマントラを陽道の口伝えに繰り返しながら
一樹は陽道の快い仕置きを受けてゆく。
「あ・・あああ、ああ」
「まどうや、まーんさ。まつや。むどら、まぃとうな」
口伝を真似て五つの素の名を唱え始めると、
一樹の中の欲情の中核が、覚醒し始めてゆく。
「あ、ああ、ああ・・まどうや・・まーんさ・・・」
恐ろしいほどの覚醒に身を揺す振られ、
一樹は味わった事のない快感の高みに押し上げられていった。
こうして一樹は陽道こと、
独鈷の秘儀に落とされマントラを唱える事で与えられる
いっそう深い魅欲に溺れさせられて行った。
陽道は一樹をいなづち、なみづちの差配の元におく事が成せると、同じようにして、妹の比佐乃も手に入れた。

「ああ?」
一樹は己が叱られるより先に比佐乃が
陽道の物で心良い仕置きを与えられている事に気がついた。
その場に思わず飛び込んで行くと
「父様・・」
一言、そう呼んだ一樹の目の中にある欲情を
陽道は見逃しはしない。
「人の仕置きされおる所に入りおって。
比佐乃の仕置きもせねばならぬ、
一樹、お前の仕置きもせねばならぬ。どうしてくれよう」
一樹を睨みつける振りをして見せるが、
陽道はこの時を待っていたのである。
双神のもとに性のシャクテイ(力)を送りこむ為に、
己がマントラを唱えていれば、
間違いなく邪淫の果てに落ちて行く。
一樹の相手をする時は一樹にマントラを唱えさせる。
そうすれば一樹のシャクテイがいなづちに、
比佐乃の相手をする時には
比佐乃にマントラを唱えさせれば
比佐乃のシャクテイがなみづちに流れ込んだ。
独鈷は黙り込んで
己のシャクテイを吸われる事を避けていたのである。
(いなづち様。なみづち様。独鈷の献上をお受け取り下さいませ)
心の内で双神に語りかけると
「一樹、比佐乃とマントラを唱えて、
二人で詫びながら、お前が比佐乃に仕置きしてやれ」
そう言い捨てると、陽道は隣の部屋に出て行った。
そうする事で、双神どちらにも、同時にシャクテイが渡る。
独鈷の身の安泰も図れるのである。
やがて、二人のマントラが重なり合うと、
喘ぎが混じり込みながら激しい快感を
我が身に与えてくれるマントラを呟く声が
うめく様に聞こえて来た。
それが判ると陽道は立ち上がってその場を離れた。

「ここに指を入れてくれ。の。比佐乃」
一度教え込まれた欲情の始末のしようが無い。
異様な場所の疼きを宥める事を
比佐乃に懇願する一樹であった。
「兄さま。その後で」
「ああ。してやる。一樹は、どちらも欲しい」
比佐乃との情交もいる。
前の物の疼きを比佐乃で晴らせる事は周知の上である。
陽道に教え込まれた異様な性が足掻き始めている。
比佐乃ではどうにもならぬという事が判るのは、直の事であった。
「比佐乃。もっと、早う、動かせ。もっと、指を深う入れろ」
肩を床に着け、尻を比佐乃の前に突き出して
比佐乃の指を楽しんでいたのであるが
「あああ・・・いきつけぬ」
比佐乃に前の物をも握らせて、
その高揚と供に一気に情欲の果てを迎えようとした時、
比佐乃が拒んで来た。
「ああ、兄さま。其れでは、比佐乃の分が・・・」
一樹の物を拒んだまま、
比佐乃が一樹の下に潜り込むと己のほとを開き押しつけてきた。当然。
そのまま、二人の睦事に事が進んで行くのであるが
一樹の中で
『ああ・・・比佐乃の中に果てると同時に
己の尻の物が果てたらどんなに
心地よかろうか』
そう、いう思いが湧いてくるのが否めない。
その思いの高ぶりが叶えられればどんなに高いシャクテイを生み出すかを知っているのが独鈷である。
己の腕の中に沈み込んだ波陀羅が泥の様に
深い疲労の中に落ちこんで行くと、
陽道は波陀羅の傍を脱け出した。
睦み逢う兄妹の部屋に入り、
一樹の渇望を見て取ると
陽道は一樹の上に更に重なっていった。
「ぁ・・父様」
「マントラを唱えんか」
「あ、ああ」
言われるまでもない。
陽道の肉棒が突き込まれて行くのを感じ取ると、
一樹はマントラを唱えだして大きく蠢き出している。
その一樹の下で陽の物を付き込まれたまま、
一樹の蠢きに比佐乃が呻き、
マントラを唱えながら何度目かのあくめを迎え
身も心も放心し切った様を逞していた。
『いなづち様。なみづち様。お受けとりて下されておりますな』
独鈷の献上振りを己自信で誇ると、
そのまま、一樹の物に向けて激しい躍動を与え始めた。
「ああ・・ああ・・父様・・父様・・・はああああ」
「ああ、兄さま・・・あ」
目を覆いたくなる父子、兄妹の相関図に気がついたのは
他ならぬ波陀羅であった。



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