警察犬サムと狼犬オーちゃん（復刻版１）

「これから、ボクがこの家に来てからのことをオハナシシマスネ」


「みなさん！ボクが天真爛漫で、網戸に体当たりして脱走するようなアホ犬だとオモッテイマセンカ？」


「・・・ソレハ、ヒテイデキマセン」


「こう見えても、ボクは立派な警察犬ナノデスヨ。警察犬はね、金さんのように桜吹雪などヒツヨウナイノデス」
　　　　　ちょっとヤッテミマショウカ？　
「この右耳奥の緑字の刺青（耳番号）がメニハイラヌカ〜〜！！！」


「デモ・・・、こんなやつが、すでに家にいたとはオモッテモイナカッタノデス」


サムが我が家に来たときには、すでに先住犬がいました。
50％ウルフドッグ、そう！オオカミ犬のオーちゃんです。


オオカミ犬と犬とは、まったくの別物。
犬と同じようにさせようと思ったら、その苦労は犬の100倍ではありません。
外面はいいので、人にはものすごく愛想がよいのです。
特に、女の子から「かわい〜い」と言われるとすぐに反応します。


オオカミ犬に注意が必要なのは、時として狼のスイッチがオンになるときです。
オオカミ犬は、オオカミ犬と犬の中間ではなく、狼と犬を行き来している部分があります。
狼になると、まったく命令を聞かなくなり、暴走します。
この画像は、狼スイッチが入った時のものです。


恐らく、ノーリードで連れて歩ける50％以上のオオカミ犬は、このオーちゃんくらいだと思います。
私は仕事を午前中で終えるようにしているので、午後は毎日のように山道を10〜20km位は歩いていました。
子犬から3年間は、「待て」「お座り」「付け」を1日に何百回も繰り返して訓練しました。
・・・でも、この程度です。
画像は、自分は50％のオオカミ犬なので、お座り命じても「犬の分のノルマの半分座ればOK」と思っているオーちゃんです。


オオカミになると、まったく手に負えません。
このように木にも登ってしまいます。

コントロールするコツは、絶えず挙動に注意して狼になる徴候を見逃さないことです。
狼になってしまう前に「待て」をかけます。

それ以外は、非常に感情が豊かで、甘えん坊の犬です。
こんなこと、サムが子犬だからできたこと。
現在は、55kgなので無理です。




これから軟弱なサム君が、意地の悪いオオカミ犬に虐げられて、それでも健気に育っていく姿をご紹介したいと思います。