多くの歌手がこの唄を歌ったそうだが、1971年(昭和46年)に加藤登紀子がカバーしたレコードが大ヒットした。
個人的には50年以上も昔、某テレビ局の先輩Yさん(滋賀県出身・27歳ぐらい)が若くして不慮の死を遂げた際、葬儀・告別式の最後にこの唄をみんなで歌ったことを思い出す。Yさんも生前、この唄を愛唱していたのだろう。
私がよくお邪魔する『二木絋三のうた物語』から、以下に歌詞を引用させてもらいあの頃を偲びたい。
作詞・小口太郎、原曲・吉田千秋
1 われは湖(うみ)の子 さすらいの
旅にしあれば しみじみと
のぼる狭霧(さぎり)や さざなみの
志賀の都よ いざさらば
2 松は緑に 砂白き
雄松が里の 乙女子(おとめご)は
赤い椿の 森蔭に
はかない恋に 泣くとかや
3 浪のまにまに 漂えば
赤い泊火(とまりび) なつかしみ
行方定めぬ 浪枕
今日は今津か 長浜か
4 瑠璃(るり)の花園 珊瑚(さんご)の宮
古い伝えの 竹生島(ちくぶじま)
仏の御手(みて)に いだかれて
ねむれ乙女子 やすらけく
5 矢の根は深く 埋(うず)もれて
夏草しげき 堀のあと
古城にひとり 佇(たたず)めば
比良も伊吹(いぶき)も 夢のごと
6 西国十番 長命寺
汚れの現世(うつしよ) 遠く去りて
黄金の波に いざ漕がん
語れ我が友 熱き心
琵琶湖周航の歌(心にしみる歌)