〈以下の詩は2008年5月29日に書いたものです。〉
「30分ぐらいで終わります 顔を動かさないでください」
担当の医師が そう言った
検査台に あお向けになった俺は
額と顎に しっかりとベルトをかけられる
「工事現場のような音がしますよ では始めましょう」
やがて ガガガガガガ~ ギギギギギギ~
ブルンブルンブルン ゴンゴンゴンゴン・・・
こりゃまったく 道路工事現場の音だ
電波でも磁気でも 俺の頭に入ってくるのか
どうでもいいが 早く終わってくれ
ガガガガガガ~ ゴンゴンゴンゴンゴン・・・
騒音になれたのか 少し眠くなった
電磁波でも なんでもいいから 俺の頭を良くしてくれ
老化した脳に 不思議な力を与えてくれ
脳髄を刺激して すばらしい知性を与えてくれ
脳漿を揺さぶって みずみずしい感性を回復してくれ
検査の間じゅう 俺は勝手な空想をしていた
脳に異変があろうが なかろうが それがどうしたというのだ
MRIの結果が なんだというのだ どうせ なるようにしかならない
ギギギギギギ~ ブルンブルンブルン・・・雑音はまだ続く
苦痛以外のなにものでもないあの不快な音をボエムにするという発想はよほどポエム創作に慣れていないと湧きませんね。
後半の切実な願い私もそう思います!
でも、あの雑音には参りますね。まったく別世界に入ったようです。
これで頭が良くなってくれればいいのですが、老化した脳はそう簡単に回復しないのでは・・・(笑)