新緑が次第に高い山へと移り、近場の山はすでに葉も青々と濃さをましてきた。
この季節はどの山に行っても気持ちよく歩けるが、8年前、同じ季節に一人で笹子雁が腹摺山から米沢山、お坊山とめぐり大鹿峠から景徳院へ下った時のことを記録しておこうと思う。
歩いたコースは上の地図の通りで、笹子駅を起点に甲斐大和駅まで。
笹子雁が腹摺山とお坊山では、富士山や八ヶ岳、南アルプスの展望を楽しむことができ、なかなかいいコースだった。
朝の5時過ぎには家を出て、笹子には7時半ころについた。
平日だったけどかなりの登山客が下りた。
笹子から登れる山は笹子雁が腹摺山以外にも滝子山、鶴ヶ鳥屋山、本社ヶ丸などたくさんある。
車の行き交う国道である甲州街道を笹子峠にむかって歩き、新中橋というところから旧街道に入る。
入ってすぐに山道にとりつくのだが、この時はなにやら工事をしていて、登山道にそってロープが張ってあった。
杉木立の中の道を徐々に登っていく。植林の森から広葉樹の森へと移ろっていく。
駅を出発して1時間ほどで送電鉄塔についた。
地図で確認するとここは標高800m。笹子雁が腹摺山1357.7mまで標高差550mだ。
5月の中旬になっているので葉が茂り、緑が少し深みを増してきている。
足元には去年の落ち葉がたくさん残っていてガサゴソを音をたてる。
ヤマツツジがあちこちで咲いていた。
鉄塔のところから1時間ほど登ったころ、木の間から南アルプスが見えてきた。
まだ残雪を残している。朝のひかりをあびてまだほんのり赤みが残り、浮き立つように輝いている。
さらに20分ほど登ると電波の反射板があった。もう山頂はすぐだ。
笹子の谷が見下ろせた。
右から鶴ヶ鳥屋山から続く稜線がだんだん低くなり、その先に高川山が意外にこじんまりと見える。
10時少し過ぎに山頂に到着した。標識には小数点以下を切り上げて1358mとなっていた。
「秀麗富嶽十二景、四番山頂」と書いてあった。
遠く残雪の南アルプスの白根三山。残雪がある5月は山岳展望には好適な季節だ。
そして秀麗富岳。樹木の間から見えるので、望遠で切り取ってみた。
空気が澄み切っているようで、山襞に残る残雪のようすもくっきりと見えた。
山頂はそれほど広くはないが、木々のあいだから十分に展望を楽しめた。
樹林におおわれた尾根を歩いて次の米沢山へ。
途中、3つの小さなピークをこえていく。でも標高差で50mに満たないのでそれほどきつくはない。
米沢山の山頂は、あまり展望はよくない。
枝の間からのぞくような感じ。
次のお坊山へむかう。
お坊山のほうが50mほど高いだけなのでそれほど苦労はない。
途中、編笠岳、権現岳、赤岳、横岳とつらなる八ヶ岳の南部を見渡せるポイントがあった。
ほとんどは樹林の中の尾根道だが、ミツバツツジやヤマツツジが目を楽しませてくれる。
お坊山、1412m。12時20分の到着。
富士山の展望はこちらのほうがいいように思えたが、残念ながら雲をまといはじめていた。
南アルプスの展望も申し分ない。北岳と間ノ岳を望遠でとらえてみた。
こちらは甲斐駒ヶ岳。摩利支天が手前になるのできれいな三角錐に見える。
展望を楽しんだ後、いよいよ甲斐大和にむかって下山開始。
まずは大鹿峠をめざす。
ミツバツツジやヤマツツジを楽しみながら下っていく。
樹林におおわれた静かな尾根道をくだっていく。
大鹿峠には午後1時に到着。景徳院へは、峠から少し北へ登りかえしたピークから北西の尾根にむかう。
尾根にそって高圧線が通っているのでくだりはじめて10数分で鉄塔にであった。
緑のトンネルにヤマツツジの赤が点々と続いていた。
足元は、落ちたツツジの花びらで赤く飾られていた。
峠から1時間ほどで神社の建物が見えてきた。
神社のすぐ下には鹿よけの金網と扉があり、その下は田野の民家があった。
これで山歩きは終了。民家の間をぬけて、景徳院のわきから県道にでて、あとは県道を歩いて甲斐大和駅へと向かった。
甲斐大和駅には午後2時42分の到着だった。
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