東大英語を攻略するには次の4項目
において鍛錬が必要です。
その4つとは、
1.単語・熟語・構文・文法の正確な知識
2.英語を読み書き(英文読解・英作文)する力
3.科学英文などの即解力とリスニング力
4.知的好奇心に基づく着想力
では、項目別に見ていきましょう。
1については、中1から高3までの6年間、
英語の授業を大切にし、休まずたゆまず
コツコツ積み上げていけば、自然と身につく
はずです。
(というと、学校の授業で十分ですか?
ホントですか?とよく聞かれます。)
実は、学校の授業だけで
すべてまかなえるかと言えば、
それは一部の人だけの話で
学校の授業を受けているだけでは
英語が伸び悩む人がいるのは事実です。
中学生でいうと、中2が分岐点です。
中2で英語嫌いになると、それ以降
ずっと影響します。
とくに定期テスト対策だけに追われている人は
英語が伸びません。(真面目な人ほど
その傾向が出てしまいます。皮肉なものです・・・・)
英語の伸びない人の特徴を
ここでちょっと紹介します。
英語の伸びない人は単語ひとつにしても
言葉そのものにこだわりのない人が多いですね。
例えば、「見る」という単語は中学に
入ってすぐに出てくる単語です。
see, watch, look at の3つありますが、
だれでも知っている簡単な単語ですが、
3つとも「見る」の意味が違うので
使い分けが必要ですが、中2,中3になっても
知らない人が多いです。
もし中高生のお子様がいらっしゃたら、
一度尋ねて見てはいかがでしょう。
「see, watch, look atの3つの単語を区別して
使ってる?」と聞いてみてください。
中学生で知っていれば、なかなかです。
高校生なのに、もし区別がつかないということであれば、
かなり英語の勉強をサボってきたとしか
いいようがないですね。
もし3つとも正解したら、
もうひとつ、「look だけに 前置詞のat が
くっついているのはどうして?」と、
尋ねてみてください。
中学生で答えることができれば大したものです。
東大を受けようと思っている
人だけに関わらず、
すべての英語学習に取り組んでいる
みなさんに言いたいことは、単語の一つひとつに
こだわりを持ってほしいということです。
単語の細かいニュアンスの違い
にこだわりながら単語の知識を
吸収していくのです。
では、第2番めの項目の英語を読む・書く能力です。
この英文を読むという行為は
目の前の英語を単語一つずつ読んでいけば
いいのです。
もちろん読む人の能力が低ければ内容を
つかむことはできません。
しかし、英文を構成している
殆どの単語を知っていれば
おおよその意味を取ることは出来ます。
英語を訳すことは皆さんわりとよく出来ています。
ところが、英文を書くとなると、
いきなりハードルが上がってしまいます。
日本語に対応する英単語がわかっていれば、
それを並べていくだけ正しい英文ができるわけでは
ないのです。英単語をならべるだけでは、
不自然で不完全な英語しか作れません。
多くの生徒は日本語に引きずられた
日本語的な英文しか作れません。
学校の英語の授業でも英作文の授業はありますが、
その授業を受けて英作文が熟達することは
難しいでしょう。
授業で模範解答を書いている先生の
英文は正解なのかもしれないけれど、
自分が書いたものを見てくれない限り
それがあっているかどうかはわかりません。
英作文の練習で一番効果が上がるのは、
やはり、英語の達人に添削してもらうのが
一番だと思います。
東大模試などを受けると、答案に書いた
自分の英作文の悪いところはチェックが入ります。
とはいっても間違った英文の何箇所かに
赤のチェックは入りますが、なぜ間違っているのか
またその間違いをどう直したら正しい英文として
減点から加点に変わるのかは説明してくれません。
自分の書いたものと文型が違うと
あまり参考になりません。
なかなか悩ましいです。
英作文の上達のために、おすすめしたことがあります。
基本例文のたくさん詰まった日本語を毎日5文ずつ
英作して正解と照らし合わせて、英文をインプットしていく
ことをおすすめします。文型のストックを作ることから
始めると英作文がうまくなります。3ヶ月ほどで
随分と力がつきます。ぜひ始めてください。
今年の東大で出題された英作文を見てみましょう。
長い文を英語に落とし込んでいくのですが、まずは
文型を決め、そこに日本語の意味が伝わるように
ふさわしい英単語を流し込んでいくのです。
英米人が書くような洒脱な英文でなくてもかまいません。
要は文法的な減点をもらわない、日本語の内容が
的確に表現できていれば合格点をもらえます。
「しかし自信ばかりで押し切っては、やがていつかは他人を害する立場に立つ。」
という文が最初に出てきます。まず最初に気をつけないといけないことは、
文の中に主語がないので、主語を決めます。時制は現在です。仮定の文です。
だから仮定法現在で表現します。
最初のメッセージを読むと書き手が読み手に
一方的な訓話を述べているような調子なので、主語はYouでいいでしょう。
では英文を書いてみます。
But if you have your own way with overwhelmed confidence in yourself,
you will stand on a position that harms others' feelings in due course some day.
「自信ばかりで押し切る」→ 「自分に絶大な信頼をもって」というふうに
日本語表現を英語よりの表現に直します。もって → with
自分に → in yourself
絶大な信頼 → overwhelmed confidence とします。
overwhemed というのちょっと難しい単語ですが「圧倒的」くらいの意味でしょうか。
押し切る → 自分の思い通りにする と解釈して have your own way にしましたが、
force your way にするとまさに力づくで自分のやり方を押し通す感じが出ます。
こういう表現を使えば、立派な英作文になります。
では、次を訳していきます。
「やがていつかは他人を害する立場に立つ」
立場に立つ → stand on a position
ここでは冠詞 a が抜けないように気をつけましょう。
そして「他人を害する」というのは関係代名詞で結びつけましょう。
害する → harm 三人称の s を抜けないように気をつけましょう。
他人は other people でもいいし others でもいいです。
他人の感情はあくまで複数扱いです。気をつけましょう。
これだけのことを考えてようやく一文が完成しました。
But if you have your own way with overwhelmed confidence in yourself,
you will stand on a position that harms others' feelings in due course some day.
気をつけないといけないことは、実際の東大受験ではこの作業を実にスピーディーに
やらないと時間が足らなくなってしまうことです。
次のブログでは英作文の残りと、
自由英作文をどう攻略するかについてお話します。