何かが光って見えます。

　なんだぁ！？
あっ、やばい、赤色灯、パトカーのランプだ。
　近づくにつれ今の状況、重大さが分かって来ます。
始めに出会ったのが反対車線の車の渋滞。
交通誘導しているお巡りさん。
自分の車の前後にパトカーが。
そして反射板付きのバリケードが置かれています。

　逃げたい気持ちになりますが、逃げる訳にもいかず、お巡りさんに会釈。
「その車の持ち主ですか。」
声が出ず、うなずくだけ。
「ガソリン持って来たの？」
また、うなずくだけ。
「早く入れて車を動かしてください。」
「はい。」
はやる気持ちを抑えてガソリンを入れますがうまく行きません。
う～ん、入ったかな！？何か変。
携行缶を揺らすと中は空っぽになったようです。
車に入りキーを回すと、
ブルル～ン。
数回やっても同じ。
あっちゃ～、エンジンがかかりません。どうしよう！？
もう一度給油口を開け携行缶を出します。
再度給油しますがガソリンは携行缶にもう入ってないみたい（、やっぱり買って来たガソリンは全部入れたようです）。
運転席に座りなおしてキーを回しますが、やっぱりエンジンはかかりません。
原因はただひとつ、ケチったのがまずかったみたい。
もう１度、買いに行かなきゃ。

　あきらめて外に出ます。
外で待機していたお巡りさんに理由を話して行こうとすると、
「ちょっと、待って」
呼び止められます。無線で何か相談しています。

　どうなるんだろうを不安な気持ちで待っていると思わぬ提案をしてくれるのでした。