放課後
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著者 : 東野圭吾<o:p></o:p>
生年 : 1958年<o:p></o:p>
出身地 : 大阪府<o:p></o:p>
初版年 : 1985年<o:p></o:p>
出版社 : 講談社<o:p></o:p>
価格 : 571円(税別)<o:p></o:p>
講談社文庫<o:p></o:p>
受賞 : 第31回江戸川乱歩賞<o:p></o:p>
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感想<o:p></o:p>
東野圭吾が書いた第3作目で第31回江戸川乱歩賞受賞作品である。これをきっかけに専業作家の道に入ったという。<o:p></o:p>
舞台は私立の女子高校である。そこで生徒指導部長の男性教師村橋が男性用更衣室で死んでいた。戸の内側に心張り棒がしてあり、また壁の上部で通じている隣室の女性用更衣室は施錠されていて更衣室は密室状態だった。死因は青酸カリ中毒。若手の男性教師前島はアーチェリー部の顧問をしていて主将のケイと一緒に死体を発見した。容疑者は問題児高原陽子。しかし秀才の北条雅美が犯人は女性用更衣室の合鍵を作って持っていた人物であると密室の謎を解き、陽子の嫌疑を晴らす。<o:p></o:p>
そして第二の殺人事件が起きる。体育祭の仮装行列でピエロに扮した男性教師竹井が一升瓶の中身を飲んで死んだ。一升瓶のなかには青酸カリが混入していた。前島は驚愕する。今まで何度も殺されかけていたからだ。本当は自分をねらった殺人ではないのか。<o:p></o:p>
そして前島は車が襲ってきたときにオートバイに乗った高原陽子によって救われる。高原陽子は第一の殺人を女性用更衣室の外から聞いていて、犯人が出て行った直後に心張り棒がしてあったと前島に話す。<o:p></o:p>
心張り棒と密室の謎、村橋を殺す動機、前島が襲われる理由は何なのか・・・・<o:p></o:p>
様々な伏線が張り巡らされている。高校のクラブ活動アーチェリーが生き生きと描かれ、それが最大の伏線になっている。女子高校生が感受性豊かに個性的に描き分けられている。<o:p></o:p>
前島が女子高校生の行動は予測を越えると語っているが事件の展開も驚きの連続である。<o:p></o:p>
東野圭吾の「学園ミステリー」は「卒業」「同級生」「放課後」と読んできたがどれも面白い。大学生や高校生が個性的に描かれて学園生活の楽しさが溢れている。ミステリーの謎以上にそれが記憶に残った。<o:p></o:p>
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